【必見】VMware vSANを早く、賢く、安心して、構築・運用する方法

 VMware vSANには手組み構成(フルカスタマイズ構成)からHCIアプライアンスまで豊富な選択肢があります。そのため、VMware vSANは柔軟に構成できる反面、設計・構築が難しいと思われるかもしれません。
 しかし、実際にはVMware vSphereによるサーバ仮想化の提案・構築経験があればそれほど難しいものではありません。

 本記事では、設計時と構築時に分けて、VMware vSANの導入フローを解説するとともに、最近利用されているシステムの傾向についてご紹介します。



▼ 目次
VMware vSANの導入は難しい?
利用が広がるVMware vSAN
3つの代表的なvSANの構成
VMware基盤クラウドでVMware vSANを活用して、基幹系システムを運用




1. VMware vSANの導入は難しい?

 VMware vSANの構成パターンは手組(フルカスタマイズ)みから、vSAN ReadyNode、HCIアプライアンスまで多くの選択肢があります。

 手組みやvSAN ReadyNodeの場合は、設計・構築時に必要なステップがたくさんあり、面倒だと思われるかもしれません。しかし、VMware vSphereのサーバ仮想化を理解していればそれほど難しいことはありません。

VMware vSAN

図 1. vSAN ReadyNode で検討すべきこと


ここからは大きく設計時と構築時の2つに分けて、VMware vSANの導入プロセスを見ていくことにします。



1-1.設計時

 設計時フェーズは設計と構成に分けられます。様々な手法があると思いますが、一例となるポイントを順を追って解説します。

  1. 周辺環境や必要機能、例えばRAID-5/6は必要か、暗号化は必要かなどの要件の洗い出しを行い、要件を満たすVMware vSANのバージョンやエディションを決定します。
  2. 設計・サイジングを行います。ハイブリッド構成 もしくはオールフラッシュ構成、複数サイトまたは 1サイトで構成、RAIDレベル、許容する障害数(FTT)から、クラスタの構成と最低必要サーバ台数を決定します。
  3. VMware vCenter Serverをどこに配置するかを決定します。物理サーバやVMFS/NFS/vSANデータストア上に仮想マシンとして配置することが可能ですが、vSANデータストア上に配置した場合は、VMware vSANの障害発生時にVMware vCenter Serverにもアクセスできなくなり、ログにアクセスできずトラブルシュートが行えない可能性が高くなります。そのため、vSANデータストア以外に配置することが強く推奨されていますが、検討が必要な項目の1つです。
  4. サーバのネットワーク構成を決定します。VMware vSANでは4つのネットワーク:管理、仮想マシン、VMware vMotion、vSANネットワークを構成する必要がありますが、これらを構成するにあたり、1Gb or 10GbイーサネットNIC、vSphere仮想スイッチを標準スイッチ、分散スイッチどちらにするかを決定します。ネットワーク障害が発生した際に縮退構成となることから推奨はされていませんが、10Gb+分散スイッチ構成にする場合はvSphereネットワークI/Oコントロール機能を利用することで物理NICの数を削減させる構成にすることもできます。
  5. OS領域をどのデバイスに構成するかを決定します。SDカードやUSBメモリの場合は、OSのシャットダウンや再起動によりログが消えてしまいます。そのため、HDDやSSDなどのシスログやvSANトレースログ、コアダンプをローカルに永続文字できるデバイスを利用するかどうか、またその場合はOS専用のストレージコントローラを構成できるかどうかなどを検討します。
  6. 大枠を決定したら、サーバの仮想化と同様に CPU、メモリなどの仮想マシンが必要なリソースのサイジング、ディスク容量のサイジングを行います。その際に、vSANのオーバーヘッドやスラックスペースの上乗せも考慮します。
  7. vSAN ReadyNode Profilesの中から適切なプロファイルを選定します。vSAN ReadyNode Profilesとは、サーバあたりのIOPSや仮想マシン数などをVMwareが定義したvSAN認定ガイドラインのことです。各ハードウェアベンダーはこのプロファイルをベースに、vSAN ReadyNodeという形で構成を組み上げています。
  8. VMware Compatibility GuideやvSAN ReadyNode Configuratorサイトから、選定したプロファイルを満たす構成を選定します。vSAN ReadyNode構成はサイジング結果にマッチしない場合が多いため、設計フェーズで確定した要件やサイジング結果を反映させて、vSAN ReadyNode構成をカスタマイズします。
  9. その他、必要な製品であるVMware vCenter Server用サーバやVMware製品のライセンス、物理ネットワークスイッチを構成します。



1-2. 構築時

 vSANの構築ですが、基本的には対象クラスタでvSANを有効にすればよいだけであり、非常に簡単です。

 ただし、これだけではvSANの機能である健全性チェックで多数のエラーが報告されてしまいます。検証環境であればそれほど気にする必要はありませんが、実導入となるとそういう訳にはいきません。

 そこで、構築のポイントを順を追って解説します。

  1. VMware vSANでサポートされるサーバのBIOS、NIC、ストレージコントローラ、HDDのファームウエアバージョンを確認し、設定します。
  2. サーバにESXiをインストールし、VMware vSANでサポートされるNIC、ストレージコントローラのドライバーバージョンを確認し、設定します。
  3. サーバの準備が完了したら、VMware vCenter Serverからクラスタを構成して各サーバをクラスタに追加し、仮想スイッチや仮想マシンポートグループ、VMkernelアダプタなどネットワークを設定していきます。クラスタに含まれるすべてのサーバでネットワークの設定を完了後、vSANを有効にし、vSANデータストアを構成します。
  4. vSAN健全性チェックを実行し、エラーが出なくなるまで問題を解決していきます。


 以上ですべての作業が完了です。設計・構築時作業項目が多いように見えますが、いずれも難しい作業ではなく、簡単に行うことができます。


 伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)ではVMwareおよびハードウェアベンダーとのリレーションの元、検証を通じてノウハウなどを蓄積し、設計書や手順書に反映させています。手順書により導入完了までの全プロセスを支援することが可能です。
 さらにCTC独自サービス/ソリューションを組み込んだVMware vSANベースの検証済みオンプレミス仮想化基盤「vCuve」を提供しています。
 
 その特長は、下記の 4 点です。

  1. 設計・検証済み機器構成による安定的な仮想化基盤の迅速な導入の実現
  2. VMware Embedded OEM ライセンス適用によるコスト削減
  3. CTC独自ソリューション(Avail-I:ハードウェア自動障害対応サービス)を組み込んでの提供
  4. ハードウェア、ソフトウエアは全て CTCの自営保守で、単一の統合窓口でのサポート



 以上の特長より「早く」「賢く」「安心して」、vSANをご利用いただくことが可能です。vCuve の詳細は下記よりご覧いただけます。


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2. 利用が広がるVMware vSAN

 VMware vSANは数年前まではテスト使用の3-4ノードクラスタ環境が大半でしたが、その後、徐々に様々な用途・構成に拡大されてきており、2ノード構成やDR構成などの要件・環境に適確な構成を検討するケースが増えてきています。その代表的な構成は、小規模オフィス向けの2ノードクラスタ、耐障害性と容量効率を向上させるRAID-6構成、2つのサイトを1つのvSANクラスタにするストレッチクラスタです。





3. 3つの代表的なvSANの構成

 2ノードクラスタ、RAID-6構成、ストレッチクラスタのそれぞれについて見ていきます。



3-1. 2ノードクラスタ(ROBO)

 2ノードクラスタは小規模環境に最適で、ROBO (Remote Office/Branch Office)とも呼ばれています。

 従来の標準クラスタの最小構成は3ノードで、これらのノード間は高価な10Gbイーサネットスイッチが必要です。小規模環境では、サーバリソース的にもオーバースペックであり、また導入コストもそれなりにかかってしまいます。

 2015年8月にリリースされたVMware vSAN 6.1で追加された機能である2ノードクラスタを利用すると、vSANネットワークはノード間を直結する構成に変わります。そのため、高価なネットワークスイッチが不要になり、一般的なHCI製品よりも安価にまたシンプルに導入することが可能です。加えて、ミドルウェア製品の中には、VMware仮想化基盤で使う場合には VMware vMotionで移動可能な物理サーバすべてがライセンスカウント対象になるものがあります。そうした製品をHCI上で使用したい場合に、ライセンス費用を抑えることができるという使い方もあります。

 ただし、HCIは複数の仮想マシンを分散配置させてシステム全体で高い性能を享受するというアーキテクチャのため、例えば重たい処理を行う仮想マシン2台だけを稼働させるという使用方法の場合には、最適な性能は得られないことは考慮しておく必要があります。


VMware vSAN

図 2. 2ノードクラスタの構成



3-2. RAID-6構成

 RAID-6構成は、サービスの常時継続が求められるシステムに採用されます。

 従来VMware vSANでは、二重障害対応としては、RAID-1、FTT=2の3面ミラー構成がありましたが、容量効率が非常に悪いという問題があります。それに対して、2016年2月リリースのVMware vSAN 6.2からRAID-5/6がサポートされるようになり、本格的にミッションクリティカル用途に採用されるようになってきました。RAID-6構成では最小6ノードが必要で、且つオールフラッシュ構成が必須要件です。

 RAID-6にすることで、RAID-1の3面ミラー構成と比較して、50%の容量削減を実現します。高い障害性を保ちつつ容量を削減するには RAID-6が適しておりますが、VMware vSANのRAID-6はネットワーク越しにパリティ計算を行うため、オーバーヘッドコストは考慮する必要があります。


VMware vSAN

図 3. RAID-6の構成


3-3. ストレッチクラスタ

 ストレッチクラスタは地理的に離れたサイト間をActive-Activeで構成することで、リソースの効率化および DR/BCP環境を実現する構成です。

 ストレッチクラスタでは、VMware vSpehre DRS機能によりサイト間をロードバランスすることで、サーバリソースを無駄なく使うことができ、遊休リソースを排除します。また、サイト間同期レプリケーション及びVMware vSphere HA機能により、DR/BCP環境を実現します。

 ネットワーク遅延要件などがあるため、実現可能性は環境次第ですが、サイトをまたいでvSANクラスタを接続することでサイト内だけでなくサイト間でも仮想マシンを保護することが可能になります。サイト内ではRAID-1, 5, 6など従来のストレージポリシーを構成可能です。サイト間では、RAID-1 でサイト間保護をするか、RAID-0で片方のサイトだけに配置するかを、仮想マシン単位で設定することができます。


VMware vSAN

図 4. ストレッチクラスタの構成





4. VMware基盤クラウド「TechnoCUVIC VP」でVMware vSANを活用して、基幹系システムを運用

 CTCが提供するIaaS型仮想プラットフォーム「TechnoCUVIC VP」はクラウドサービス上にユーザーが仮想サーバを自由に設計・構築できる専用の仮想化・統合プラットフォームです。今回、大手衣料品チェーンのはるやまホールディングス様は、これを新しい基幹系システムに採用し、既存システムからの移行コストを抑え、運用コストの削減と業務負荷の軽減を実現しました。そこではVMware vSANを活用して、専有型のストレージを設け、高いセキュリティを確保すると共に、フラッシュストレージを選んで、データ処理の時間も短縮しています。

 はるやまホールディングス様の事例は下記よりご覧いただけます。

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 CTCのIaaS型クラウドサービス「TechnoCUVIC」は国内の自社センターから提供され、CTCのデータセンター・サービスともハイブリッドで利用できます。仮想基盤にVMwareを採用、クラスタ機能も標準でサポートしており、5営業日で提供することが可能です。契約は利用するお客様の事情に合わせて、仮想サーバ単位の仮想化ホスティングサービスと物理ホスト単位のプライベートクラウドを選ぶことができます。

 TechnoCUVICは2008年以来10年の安定稼働実績を有する高い信頼性を持つクラウドサービスで、リリース当時からVMwareによる仮想環境で運用されています。そのため、VMware vSANのクラスタ環境の運用には最適のプラットフォームです。

 この経験を生かして、CTCではお客様の要件に合わせた最適なVMware vSAN環境の構築を「早く」「賢く」「安心して」行います。VMware vSAN導入をご検討のお客様はVMware製品に関する豊富な導入実績とノウハウを持つCTCにぜひご相談ください。

 TechnoCUVICの詳細については、下記よりご覧いただけます。


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