VMware Cloud™ on AWS のコストメリットを高めるヒント

VMware Cloud™ on AWS のコストメリットを高めるヒント

 VMware の仮想化環境をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で動かせる「VMware Cloud™ on AWS」を使って、オンプレミス環境からクラウドへ移行するケースが増えている。だが、ストレージ容量が足りない場合、ホストを追加する必要があるため、コストメリットを出せないという課題があった。この課題を解決すべく2022 年9 月、VMware は VMware Cloud on AWS の外部ストレージとして Amazon FSx for NetApp ONTAP をサポートすることを発表。それにいち早く対応し、外部ストレージオプションの提供を開始した、伊藤忠テクノソリューションズ(以降、CTC)の崔 文輝 に、概要やメリットを聞いた。



▼ 目次
1. VMware Cloud on AWS のストレージ容量不足に関する課題を解決
2. データ圧縮・重複排除や、仮想マシン移行機能によるさらなるコスト削減効果も見込める
3. VMware にもAWS にもNetApp にも精通するCTC


1. VMware Cloud on AWS のストレージ容量不足に関する課題を解決

 VMware Cloud on AWS は、AWS のベアメタル環境で提供される。VMware ソフトウェアをベースとしたクラウドサービスである。オンプレミスでも使われるVMware の仮想化環境と同様のアーキテクチャーを採用しているため、既存の環境をAWS 環境に移行し、AWS のネイティブサービスとの連携も可能なため、IT 環境のクラウド化による効率アップを求める企業にとってメリットの多いサービスである。

 オンプレミスで構築・運用してきた仮想環境をクラウドに移し、AWS ネイティブなサービスと連携できる VMware Cloud on AWS は、比較的規模の大きなプロジェクトに向いている。だが、これまで外部ストレージをサポートしておらず、ストレージ容量を増やすにはホスト(物理サーバー)を追加しなければならないという仕様となっており、ストレージ容量が多いお客様の月額利用料は増加し、また導入済みのお客様もストレージ容量が増えていくほどホスト追加により、コストメリットを出しにくく、導入を躊躇する企業も多かった。

 崔は、これまでの VMware Cloud on AWS の提案にあたって「オンプレミスの VMware 製品環境では外部ストレージがサポートされていましたが、VMware Cloud on AWS ではサポートしていなかったため、これまでの提案では4 割程度のお客様が導入を見送っていました。ストレージを柔軟に追加できないため、ホスト増設にかかるコストの面から導入をあきらめていたのです。そうしたことからCTC は、早い段階から、VMware Cloud on AWS に対応する外部ストレージサポートに関してVMware 側に要望を出していました」と背景を語る。

 今回 VMware がサポートし、CTC が提供する外部ストレージオプションサービスは、AWSがPaaS 型で提供する NetApp ONTAP である Amazon FSx for NetApp ONTAP を用いる。ホストを増設せずとも、より柔軟にお客様の要望に応じたストレージ容量を利用することが可能になった。Amazon FSx for NetApp ONTAP は、VMware Cloud on AWS からは NFSv3 で仮想マシンの保存先であるデータストアとして活用でき、Windows仮想マシンは SMB、Linux 系仮想マシンなら NFS4.1 でストレージサービスとしても利用可能だ。



Amazon FSx for NetApp ONTAPとは

図 1. Amazon FSx for NetApp ONTAPとは




2. データ圧縮・重複排除や、仮想マシン移行機能によるさらなるコスト削減効果も見込める

 Amazon FSx for NetApp ONTAP の利用は、導入コストが安くなるというメリットだけにとどまらない。データ軽量化によるストレージコスト削減もある。同じデータをなるべく小さく圧縮して、重複を排除する仕組みを有しているからだ。崔は「圧縮と重複排除によって、60% ほどは削減できます。たとえば、10TB のデータがある場合でも、必要なストレージ容量は3 分の1 程度で済みます」と説明した。

 なお、Amazon FSx for NetApp ONTAP の最小ストレージ容量は1TB であり、崔は「容量が増えれば増えるほど導入コストは割安になります。導入前に AWS Pricing Calculator を使えば、概算費用を算出できます」と付け加えた。

 さらに、オンプレミスにNetApp を導入しているような環境であれば、NetApp ONTAP のマイグレーション機能である「SnapMirror」が利用できる。AWS 側に仮想マシンを移行する際にかかる工数と移行コストの軽減も期待できる。

 崔は、「オンプレミスでは100 台以上の仮想マシンをストレージレイヤーのマイグレーション機能で移行するプロジェクトはよくあります。NetApp をオンプレミスで利用しているような場合はさらに VMware Cloud on AWS との親和性が高くなりますね。もちろん、オンプレミスで NetApp を利用していない場合も Amazon FSx for NetApp ONTAP を VMware Cloud on AWS で利用可能ですので、SnapMirror はプラスアルファのメリットという位置付けとなります」と話す。



3. VMware にもAWS にもNetApp にも精通するCTC

 VMware Cloud on AWS も Amazon FSx forNetApp ONTAP も、CTC 独占のサービスではない。しかし、CTC が他のインテグレーターと異なるのが、導入実績とノウハウを豊富に持っていることだ。CTC は、VMware Partner Connect において最上位の VMware Cloud on AWS Principal Partnerであり、AWS のパートナーネットワークのAWS プレミアティア サービスパートナー認定企業、さらに NetApp の NetApp Star Partner として国内代理店シェアNo1 とさまざまな経験を積み重ねてきた。

 VMware Cloud on AWS に関しては2018 年から「MMCP for VMware Cloud on AWS」のサービス名称で、環境構築支援や24 時間365 日の日本語サポートを開始している。2020 年にはVMware が提供しない上位の監視サービスとして「Zabbix 監視サービス」提供をスタートし、2021 年にはバックアップSaaS「Druva Phoenix」や、規模が小さな顧客向けのマルチテナントサービス、VMware Cloud DisasterRecovery(災害復旧)サービス、AWS大阪リージョンでのサービス提供など、メニューを充実してきた。そして2022 年10 月、新たに外部ストレージオプション「Amazon FSx for NetApp ONTAP」の提供を開始した。

 

サービス沿革

図 2. CTCの VMware Cloud on AWS サービス沿革



 崔は「オンプレミスでも VMware と NetApp の組み合わせはよく使われていて、弊社でもたくさん導入支援をしてきました。このため、Amazon FSx for NetApp ONTAP においても細かいチューニングのノウハウを提供できます。他社でも単なるサービスの導入はできると思いますが、VMware、AWS、NetApp の知見がないと最適な設計・導入は難しいかもしれません。弊社であれば、ご要望に応じた形で提供できます」と自信をのぞかせる。

 今回 VMware Cloud on AWS が外部ストレージに対応したことで導入コストを抑えた提案ができるようになったため、「これまで導入を見送っていたお客様にも改めてもう一度アプローチし、コスト面で貢献できることをお伝えし、ご要望に応えていきたいです」と期待を寄せている。

 Amazon FSx for NetApp ONTAPの詳細については、以下よりご覧ください。

資料はこちらから

VMware Cloud on AWS の詳細



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