「IBM i(AS/400)を使い続けてもいいのか、使い続けられるのか不安」ならどうする?

「IBM i(AS/400)を使い続けてもいいのか、使い続けられるのか不安」ならどうする?

 国内のおおよそ7,000社にのぼる企業は「IBM i(AS/400)」を利用しており、その多くはIBM iを利用し続けることに不安を感じているといわれています。

 そこで本記事では、IBM i(AS/400)の運用懸念を整理した上で解決方法について解説いたします。




▼ 目次
IBM i(AS/400)の運用懸念
「リモート運用サービス」が人材不足の課題を解決
IBM iの将来性は本当に大丈夫なのか?
モダナイズを見据えたクラウドへの移行も支援




1. IBM i(AS/400)の運用懸念

 IBM i(AS/400)の運用懸念は主に次の2点があげられます。



1-1. 運用業務の属人化と運用要因の高齢化

 必要最低限なリソースで回している企業の情報システム部では、IBM iの運用業務は属人化し、ドキュメント類も整備されていない場合が多いです。

 そうした中で運用要員の高齢化が進み、既存要員が離職したり定年退職で離脱したりすると、後継人材の確保が困難になります。そのため、システムを維持できなくなる恐れがあります。




1-2. 将来に向けたロードマップが描けない

 ERP(Enterprise Resources Planning )などへの移行は、システムが複雑化してブラックボックス化しているため困難を極めます。

 だからといって、現行システムを延命させるにしろIBM iがいつまでサポートが継続されるのかサポートされるのか心配があります。

 そもそも、中長期のロードマップを描ける人材が確保できないという問題もあります。

 では、IBM iを利用して不安を抱えている企業は、何をどうすればよいのでしょうか。

 いま、日本国内のIBM iユーザーが抱えている不安、課題は次の3点になります。

  • 運用要員の高齢化と後を引き継ぐ人材の不足
  • IBM i自体の将来性
  • クラウド化すべきではないのか、時代に取り残されているのではないかという不安


 これらの不安は「全て無理なく解決できる」と伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は言います。

 では、どう解消できるのでしょうか。




2. 「リモート運用サービス」が人材不足の課題を解決

 人材不足について、CTCシステムマネジメントの斉藤 翔氏(運用ビジネス本部 データセンター運用ビジネス第1部1課 課長)は、「運用要員の高齢化や人材不足は、IBM iを運用している多くの企業が抱えている課題です。CTCでは、その解決のために、IBM i向けリモート運用サービスを提供しています」と話します。



「IBM i(AS/400)を使い続けてもいいのか、使い続けられるのか不安」ならどうする?
図1.IBM i向けリモート運用サービスの概要(提供:CTC、CTCシステムマネジメント)




 CTCは国内に複数のデータセンター拠点を持ち、そのうち横浜の拠点内に各所のシステムを監視するオペレーションセンターがあります。24時間365日のシフト勤務で、リモートからのシステム運用・監視を実施しています。

 ここでは、CTCのデータセンター内にホスティングやコロケーションで設置されているシステムはもちろん、顧客企業の社内にあるIBM iについても、キャリア回線による接続経由でリモート監視・運用ができます。IBM iの運用にたけたメンバーが常駐しているので安心です。


「IBM i(AS/400)を使い続けてもいいのか、使い続けられるのか不安」ならどうする?
CTCシステムマネジメントの斉藤 翔




 このサービスを活用すれば、高いクオリティーの運用が可能になり自社での運用にこだわる必要はなくなります。主なサービス内容は、以下の3つとなります。

    • システム監視サービス 
      顧客企業で運用されているIBM iシステムとCTCのデータセンターをネットワーク回線で接続し、システムを24時間365日有人監視します

    • システムオペレーションサービ
      障害一次切り分けや障害通知(障害連絡)、事前に取り決められた手順に従った定型オペレーションを実施します
    • システム運用サービス
      サポートライン(Q&A対応)や障害時のリモート調査・復旧支援、月次レポート報告などを、担当システムエンジニア(SE)が対応します



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図2.IBM i向けリモート運用サービスの主なサービスメニュー(提供:CTC、CTCシステムマネジメント)




 また、オプションで以下のサービスも提供しています。

 このサービスを活用すれば、高いクオリティーの運用が可能になり自社での運用にこだわる必要はなくなります。主なサービス内容は、以下の3つとなります。

    • オンサイト駆け付けサービス 
      - 計画停止支援: IBM iの置かれているビルが法定点検で停電するなど、システムを計画停止する際に、現地立ち会いや作業支援を行います
      - 保守支援: システム停止を伴う保守作業の立ち会いや作業支援を行います
      - 復旧支援: システムダウンなど、リモートからの復旧対応が困難な場合に、SEを派遣して、復旧作業などを支援します


 リモート運用サービスを利用するにしても、要員が高齢化して継続が困難というのはやはり不安でしょう。これについてCTCの長谷川 典男(ITサービス事業グループ エントラステッドクラウド技術事業部 DCサービス技術部 部長)は、次のように話します。




「IBM i(AS/400)を使い続けてもいいのか、使い続けられるのか不安」ならどうする?
CTCの長谷川 典男




 「IBMの保守や運用の基本的なルールやコツのようなものが、先輩から後輩に途切れずに引き継がれているうちはよいのだが、技術者が不足している企業ではノウハウがない状態で任される担当者がいます。そうした担当者が、直接IBMに問い合わせたり、IBMの保守ベンダーに稼働状況を説明しながら相談したりするのは負担が大きいです。これを、CTCが代行いたします」(長谷川)

 さらに、CTCの衣目 純(ITサービス事業グループ エントラステッドクラウド技術事業部 DCサービス技術部 DCプラットフォーム課 課長)は、「IBM以外のシステムの運用サービスも広く展開しています。システムはIBM iだけで構成されているわけではないので、IBM i以外の部分も含めて同じメンバーが顧客のシステムを一貫して運用できることが強みです」と話します。




「IBM i(AS/400)を使い続けてもいいのか、使い続けられるのか不安」ならどうする?
CTCの衣目 純




 もちろん、コストメリットもあります。「24時間365日の監視を自社で行うには、かなりコストがかかります。だが、複数社に対してサービス提供している当社のような専門家に依頼するなら、自社で個別に監視体制を構築するよりも割安になります」と長谷川は説明します。




3. IBM iの将来性は本当に大丈夫なのか?

 IBM iの将来性について懸念を持つ企業もあるが、これについてはどうでしょうか。

 斉藤は、「現時点で、IBMからは2035年までのIBM iのロードマップが示されているので、将来性に不安はないです」と話します。また、「IBM iは古いアーキテクチャを継承しつつ、最新のアーキテクチャにも対応し、後継互換も保証しています。ハードウェアのリプレースが容易なので、安心して末永く、継続的に利用できます。当社では、リプレース実績も多数あります」と説明します。

 また、CTCシステムマネジメントの吉田晴信(運用ビジネス本部 データセンター運用ビジネス第1部1課)は、「ミッドレンジ向けのIBM iやIBMメインフレームについては、構築・設計サービスを提供しており、設計・構築から移行、運用までをワンストップで提供し、多くの実績があります。優れた技術者がたくさん在籍しているので、安心して任せていただけます」と話します。

 運用サービスについての衣目の話でも出ましたが、そもそもIBM iだけでシステム全体を構築できるわけではないです。CTCではプライベートクラウド型の「TechnoCUVIC(テクノキュービック)」やSAP特化型「CUVICmc2(キュービックエムシーツー)」といったオリジナルの高品質なホステッドプライベートクラウドを提供していますが、この上に構築したシステムとIBM iを含めた、トータルでの構築・運用が可能です。「IBM iも含めたワンストップのサポート」は、人的リソースが限られる中小企業の情シスにとって朗報ではないでしょうか。

 さらに吉田は、「運用の際に、性能評価をしっかりやるのが当社の大きな特徴です。これを行うことで、顧客のシステムのどのジョブ、あるいはどういうアプリケーション処理にボトルネックがあるのかが見え、パフォーマンスの改善をアドバイスできます」と話します。




4. モダナイズを見据えたクラウドへの移行も支援

 とはいえ、やはりモダナイズやクラウド化は必須なのではないかと、不安に思う方もいるでしょう。これについて、斉藤氏は「IBM iで稼働するシステムを他のプラットフォームに移行するのは、非常にハードルが高いと思っている」と話します。

 「変化を急ぎすぎて、うまくいかなかったケースが多いです。当社の顧客でも、IBM iからの移行を試しましたが、最終的には失敗したというケースがありました」(斉藤)

 将来的にIBM iのシステムをモダナイズしたいとしても、まずはそのままクラウドに移行するという手があります。IBM iをシステムリソースとして提供するサービスを活用するのです。

 CTCは日本情報通信と協業関係にあり、同社の「NI+C Cloud Power」上へIBM iの環境を移行した実績もあります。NI+C Cloud Powerのようなサービスを使えば、障害復旧やBCP(災害対策)の点でも有利です。取りあえずIBM iを利用したままでこうしたサービスに移行し、システムのモダナイズは、経験豊富なエンジニアに相談しながら計画できます。

 また、IBM社が提供するIBM Cloudでも、IBM iを従量課金で利用できる「IBM Power Systems Virtual Server(Power VS)」というサービスを提供しています。こちらは新しいサービスですが、CTCではIBM Cloudへのネットワーク接続検証なども行っており、「今後、お客様のご要望をお聞きしながら、支援できる範囲を広げていきます」(長谷川)とのことです。

 クラウドへの移行が容易なシステムについては、CTCのTechnoCUVIC/CUVICmc2や「IBM Cloud」「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」などのクラウドを使います。一方、IBM iはNI+C Cloud PowerやPower VSに移行します。そして相互を連携させ、統合的に運用する。CTCは、これら全てに対応できます。

 このように、CTCでは「運用要員の高齢化と人材不足」「IBM i自体の将来性」「クラウド化の波に取り残されている」という3つの不安の解消を、強力に支援することができます。無理な取り組みをして失敗するリスクを避けるためにも、まずはCTCに相談してみてはいかがでしょうか。



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