
フラッシュストレージ|知る×学ぶ
オールフラッシュストレージ「正しいストレージの選び⽅」
急速に成長するオールフラッシュ市場は、従来型ストレージベンダーとフラッシュ専業の新興ベンダーが⼊り乱れ、百花繚乱の様相を呈しています。ベンダーごとに製品の特徴が様々でユーザーにとっては機能⾯、コスト⾯での選択肢が広がる反面、製品選定が難しくなっています。はたして、自社に適した製品はどれなのか?国内の有⼒ベンダー 6 社、8 製品 (2017 年 10 月現在) を取り扱っている伊藤忠テクノソリューションズ (以下、CTC) が、オールフラッシュストレージ製品の選定に悩んでいる方に、自社に適した選び⽅をご紹介します。

▼ ハイライト
1. オールフラッシュストレージの特徴
2. 「どの製品が、⾃社のどのワークロードに最適なのか」要件定義からサポート
3. 事例にみるオールフラッシュストレージ製品選定のポイント
4. CTCの経験と独自の検証施設がオールフラッシュストレージの選定を⽀援
5. 「Flash Storage LAB」のサービスメニュー
6. 主要フラッシュストレージの比較資料
1. オールフラッシュストレージの特徴
現オールフラッシュストレージ製品は『HDD ストレージをフラッシュに最適化した製品』と『フラッシュネイティブ製品』に大別されます。それぞれの特徴について簡単に解説します。
1-1. HDD ストレージをフラッシュに最適化した製品の特徴
1-2. フラッシュネイティブ製品の特徴
1-1. HDD ストレージをフラッシュに最適化した製品の特徴
Hitachi Virtual Storage Platform、HPE 3PAR StoreServ、NetApp All Flash FASといった製品はHDDストレージ製品をフラッシュに最適化したため、実績豊富なデータサービス機能や周辺システムとの連携機能など、従来からのHDDモデルと同様の使い勝⼿を提供する。また、セカンダリやDRサイトなどコストを抑えたい部分にはHDDモデルを利⽤できる点も魅⼒です。
- HDDモデルのアーキテクチャを継承、基幹システムでの実績と信頼性
- 豊富なデータサービス機能と周辺システムとの連携
- HDDモデルとの組み合わせによるコスト最適化
1-2. フラッシュネイティブ製品の特徴
Dell EMC XtremIO、IBM FlashSystem、Nimble Storage AF(HPE社により買収)、NetApp SolidFire、Pure Storage FlashArrayといった製品は、フラッシュネイティブ型と⾔える。フラッシュの利⽤を前提とした各社独⾃の製品設計が特徴で、全ソフトウェアライセンスが含まれたオールインワンでの提供となる。シンプルなアーキテクチャや、洗練されたユーザーインターフェースも管理者には嬉しい。
- 独⾃のアーキテクチャ実装(スケールアウト、安定性、データ保護)
- スペース、電⼒両⽅の効率化
- 低価格、シンプルでストレージ設計や専任エンジニアが不要
2. 「どの製品が、⾃社のどのワークロードに最適なのか」要件定義からサポート
オールフラッシュストレージ製品の選定に悩む IT 担当者からお寄せいただくご相談の多くは、主に下記の内容です。
- ⾃社のワークロードにどの製品が適しているのか、メーカーや製品の種類が多くてよく分からない。
- 他社はどのようなワークロードにどの製品を使っているか知りたい。
- 製品を機能や性能、価格で絞り込みたいが、優先順位はどうつけるべきか?
- ⾃社の業務への適性を製品ごとに知りたいが、情報収集や検証のために時間がかかりそうだ。
実はこうした課題は、⾃社の業務の中でオールフラッシュストレージをどのように利⽤したいのか、要件が明確になっていないために発⽣することが多い。
オールフラッシュストレージは、ベンダーごとに異なるアプローチで技術開発を⾏っている。そのため要件によって得意な分野とそうでない分野がある。例えば、「単⼀のワークロードには強いが、複数ワークロードの混在環境には適さない」といった場合などだ。そこで、オールフラッシュストレージ導⼊にあたっては、まず「⾃社のどのワークロードに⽤いるか」にフォーカスして要件をしっかり定義し、それに適した製品を選定することが成功への第⼀歩となる。
CTCではマルチベンダーならではの総合⼒で、オールフラッシュストレージ導⼊の要件定義からサポートし、お客様の悩みに応えることが可能だ。
3. 事例にみるオールフラッシュストレージ製品選定のポイント
オールフラッシュストレージの導⼊事例を紹介しよう。⾼可⽤性が求められる場合、⾼パフォーマンスとコスト削減の両⽴など、お客様の課題によって製品の選定理由が異なることが分かる。
3-1. 勘定システム基盤に必要な⾼い性能要件を満たすハイスペック製品を選定
3-2. 仮想環境基盤の突発的なI/Oバーストへの対応コストと性能の両⽴が求められる
3-1. 勘定システム基盤に必要な⾼い性能要件を満たすハイスペック製品を選定
■ 目的
- 流通系企業のデータベース環境構築
■ ご要件・経緯
- 複数システムが稼働していた勘定システムの統合プロジェクトで、統合後に処理遅延が発⽣しないことを条件にストレージの再構築を検討。あわせて障害/災害への対応や、24時間365⽇の保守も必要だった。
■ 製品と CTC を選定して頂いた理由
- 要求された⾼い性能要件に合致
- コントローラ障害時の性能劣化が少ない
- レプリケーション機能により、DR環境の構築が可能
- 高い技術スキルを有する専門技術者が導⼊相談〜選定〜構築までサポート
- 24時間365⽇の⾃営保守が可能
■ CTC の対応
- データベースをオールフラッシュストレージ構成とし、複数コントローラ構成が可能な製品を選定、⾼可⽤システムを実現した。
- 導⼊相談〜選定〜構築までサポート (期間は 3ヵ⽉)
- CTCの検証施設を活⽤
- 24時間365⽇の⾃営保守サポート
3-2. 仮想環境基盤の突発的なI/Oバーストへの対応コストと性能の両⽴が求められる
■ 目的
- ⾦融系企業の仮想環境基盤構築
■ ご要件・経緯
- HDDストレージを使⽤している仮想環境基盤に性能⾯で問題が発⽣。個々の仮想マシンの⽤途は利⽤ユーザーに依存するため、システム部⾨側で統制や制限ができず、モンスターVMにより仮想環境基盤全体に影響が出ていた。HDDドライブ増設は暫定的な対策であると共に予想より費⽤も⾼額になることがわかった。
■ 製品と CTC を選定して頂いた理由
- 圧倒的な⾼パフォーマンス
- オールフラッシュストレージ新規導⼊費⽤が既存へのHDD追加と同等程度
- 高い技術スキルを有する専門技術者が導⼊相談〜選定〜構築までサポート
- 24時間365⽇の⾃営保守が可能
■ CTC の対応
- オールフラッシュストレージ導⼊のProof of Concept(概念実証、以下 PoC) を実施し、インライン重複排除/圧縮によるデータ削減効果を事前に確認してから導⼊。突発的なI/Oバーストを含めた性能問題全般を解決することができた。既存の業務処理時間の短縮などで、ユーザー満⾜度の向上も図れた。
- 導⼊相談〜選定〜構築までをサポート (期間は 3ヵ⽉)
- PoCでCTCの検証施設を活⽤
- 24時間365⽇の⾃営保守サポート
4. CTC の経験と独⾃の検証施設がオールフラッシュストレージの選定を⽀援
オールフラッシュストレージを⾃社のどのワークロードに使いたいかが明確になったら、その後は製品の詳しい情報を⼊⼿して、要件に合わせた製品を選定する。⼿順は、「要件定義」⇒「机上選定」⇒「PoC」となる。ここで⼤事なのは評価の観点をきちんと持つことだ。評価基準には以下のような項⽬がある。
- 性能
- 機能
- 可用性
- 保守メンテナンス性
- 拡張性
- 運用管理性
これらの項⽬に、要件定義で優先順位をつけ、机上選定で製品を絞り込んだ上で、PoCで確認することになる。
CTCではこうした製品選定の⼿順に従って、オールフラッシュストレージ製品の情報を提供し、導⼊効果検証や実証実験が⾏える「Flash Storage LAB(フラッシュストレージラボ)」を備えている。
Flash Storage LABは、CTCの総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」に特設されており、ベンダー6社8製品をラインナップし、セットアップサービスやリモートアクセスサービスを提供。PoCに必要なサーバ/ネットワーク機材も完備している。
Flash Storage LABでは、CTCがこれまでの販売活動で蓄積してきたオールフラッシュストレージのノウハウを、ベンダーニュートラルな視点で、情報提供やアセスメントなどのサービスとして提供している。お客様はここで、オールフラッシュストレージをビジネスにどう⽣かすかという視点で、様々な検証を⾏うことができる。

図 1. CTC Flash Storage LAB
5.「Flash Storage LAB」のサービスメニュー
Flash Storage LABのサービスメニューは以下の5ステップで構成されている。ステップ1〜3までを、1⽇(数時間)で⾏う。なお、この1⽇ツアーの前に「ユーザーのニーズに合う推奨製品を提案する体制」も整えている。ステップ4と5は、製品を具体的に検討する段階だ。ステップ4ではレポートの提供まで1〜2週間。ステップ5ではTSCに本番環境と同等の環境を再現し、実証確認や性能検証を⾏う。期間は最短2週間から複雑な環境でも1ヵ⽉ほどだ。


5-1.「Flash Storage LAB」利⽤者の声

- LABにて主要各社の検証データの紹介を頂き、機器選定の参考になった。これにより、⾃社での機器選定⼯数が削減できた。
- ベンダーニュートラルな意⾒が聞け参考になった。
- 各社それぞれ特徴があり、業務アプリケーションによって選定基準が必要なことが分かった。
- 初めてのフラッシュストレージで、管理運⽤⾯の不安があったが、LABのワークショップ、デモを通じて安⼼を得ることができた。
6. 主要フラッシュストレージの比較資料
主要フラッシュストレージの比較資料について資料は以下よりダウンロードできます。
まとめ
オールフラッシュストレージを利⽤すると、アプリケーションのパフォーマンス向上や応答時間の短縮、データベース環境の処理時間短縮やDBライセンスコストの削減、省スペース、消費電⼒削減など数々のメリットが期待できます。しかし、いざ導⼊しようとすると、複数のフラッシュストレージベンダーの中から、自社に適した製品を選択しなければならず、選択肢が増える一方で製品選定が難しくなっているのも事実です。
CTC では、マルチベンダーならではの総合⼒で、オールフラッシュストレージ導⼊の要件定義からサポートし、お客様の悩みに応えることが可能です。
オールフラッシュストレージをご検討される場合は、弊社へお気軽にご相談ください。フラットな視点から最適な製品の選定にご協力致します。
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