“落ちない”が当たり前のクラウド|仮想環境のクラウドリフトで考えるべき「可用性」

 仮想環境の利用は多くの企業で進んでいます。その中でも代表的な仮想化基盤としてVMware vSphere®(以下、vSphere)があり、オンプレミスで利用している企業が多くあります。


 オンプレミスでvSphereを利用している企業がクラウドへの移行を考えるときに、有力な解となるのが「VMware Cloud™ on AWS(以下、VMC on AWS)」です。

 VMC on AWSは、オンプレミスのvSphere上のシステムを「そのままアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)に移行」できるため、メリットが多く得られます。



 しかし、クラウドではオンプレミスと同様の可用性を担保することが難しいのも事実です。

 VMC on AWSでクラウドへの「リフト&シフト」を行う際に考えるべき可用性確保のポイントを見ていきましょう。




▼ 目次
1. vSphere上のシステムをAWSに容易に移行できるVMC on AWS
2. クラウドに移行しても可用性はオンプレミスと同様に
3. IaaSで可用性を担保するには?
4. 20年の実績を誇るHAクラスターソフト「LifeKeeper™」でVMC on AWSを守る






1.vSphere上のシステムをAWSに容易に移行できるVMC on AWS

 オンプレミスからクラウドへ。こうした潮流は着実に多くの企業や組織に押し寄せてきています。

 システムをクラウド化することで、システム拡張への対応やコスト削減など、メリットを得られる可能性は少なくありません。

 しかし、オンプレミスで既に仮想環境を利用している場合、クラウド化にはいくつかの課題があります。

  • オンプレミスで利用している仮想化基盤ソフトとして高いシェアを持つvSphereのシステムをAWSに移行しようとしても、仮想化基盤が異なることからOSやアプリケーションの改修が必要になる
  • クラウドとオンプレミスのシステムの間のネットワーク遅延が大きい
  • 特定のクラウド事業者のクラウドサービスに適合させるようにシステムを構築することでいわゆる「クラウドロックイン」の状態に陥るリスクがある



 こうした課題の解決策として注目されているクラウドサービスが、「VMware Cloud on AWS」です。



OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS

図 1. VMC on AWSの概要




 VMC on AWSは、拡張性、安全性、革新性に優れた統合クラウドサービスとしてAWSとVMwareが共同で開発したものです。


 伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は「VMwareソリューションプロバイダ」「VMwareクラウドサービスプロバイダ」最上位のプレミアレベルのパートナーで、なおかつAWSでも最上位の「APNプレミアコンサルティングパートナー」であり、双方のサービス提供に多くの実績があります。そうした中で、仮想環境のAWS移行を容易にするVMC on AWSの提供にも力を入れています。


 CTCクラウドサービス企画開発部 主任の布施は、VMC on AWSのメリットについてこう語ります。

VMC on AWSは、AWSのグローバルインフラを活用し、AWSのベアメタル環境上で稼働するVMwareソフトウェアベースのクラウドサービスです。

 最大の特徴は、オンプレミスで利用しているvSphereの環境をそのままAWS上に移行する“リフト”や、その先でAWSネイティブなシステムに移行する“シフト”を容易にします。

 IPアドレスすら変えることなくAWSへのリフトができる点は大きなメリットです。

 また、同一リージョン内であればVMC on AWSとネイティブAWSの間は25Gbpsの高速接続が実現でき、遅延を防ぐことができます。

 さらに、システムはvSphere上にありますから、いざというときにはAWSから退避してオンプレミスや他のクラウドサービスに移行することも可能で、クラウドロックインへの対策にもなります。




OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS

CTC クラウドサービス企画開発部 主任 布施 鎮






2.クラウドに移行しても可用性はオンプレミスと同様に

 オンプレミスでvSphereを利用していて、クラウドへのリフト&シフトを検討している企業にとって、VMC on AWSの提供は朗報です。

 しかし、VMC on AWSにvSphereの既存システムをそのまま移行すれば、全てが丸く収まるか・・・というと、そうも行かないのです。

 「可用性の担保」の点において、見落とされがちな注意点があります。


 
OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS


 VMC on AWSを使ってオンプレミスで構築していたvSphere上のシステムをAWSに移行する場合、ユーザー企業からすると「オンプレミスと同じレベルの可用性が移行したシステムでも確保されて当然」と考えるケースが多いでしょう。

 クラウドサービスというと下記のイメージが強く、クラウドサービス事業者が可用性を担保してくれるものと考えがちです。

  • Office 365やSalesforceなどに代表されるSaaS(Software as a Service)
  • OSなどのプラットフォームも提供するPaaS(Platform as a Service)
  • コンピューティングリソースのみを提供するIaaS(Infrastructure as a Service)



 ここで見落としがちな点が、IaaSに対するOSやアプリケーションの可用性です。

 クラウドでも、オンプレミスのハードウエアを利用する際と同様に、OSやアプリケーションに対しての可用性を担保するには、何らかの仕組みが必要になるのです。



OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS




 VMC on AWSでは、物理サーバや仮想基盤レベルの障害が起きたときには、VMwareによる高可用性を提供する機能である「VMware vSphere® High Availability(vSphere HA)」が対応します。

 物理サーバの障害時には別の物理サーバ上で仮想マシンは自動的に再起動されますし、仮想マシンの障害時には仮想マシンを再起動します。

 
 また、AWSのようなクラウドではオンプレミスのように障害試験を行うことができません。

 布施と同じクラウドサービス企画開発部の納城智成は、次のとおりに説明します。

オンプレミスならば特定のサーバを停止させて障害試験を行うこともできますが、クラウドサービスでは物理サーバを止めて検証するようなことができません。

 そのため、オンプレミスと同等の可用性を保つためには、過去に実績のある仕組みを導入する必要があります。






3.IaaSで可用性を担保するには

 “クラウドは落ちない”との考えが神話だったことは、近年発生したメジャーパブリッククラウドの大規模障害からも改めて実感していることでしょう。

 vSphere上に構築したシステムをオンプレミスからAWSに容易にリフトできるVMC on AWSを利用するに当たっても、可用性を担保する仕組みの導入が必要になるのです。


 もちろん、全てのシステムが高可用性を求めるとは限りません。

 社内向けのシステムで、一定期間のダウンが認められるようなシステムであれば、コストをかけて高可用性を確保する必要はないかもしれません。また瞬断すらも許されないミッションクリティカルなシステムであれば、VMC on AWSを使ってクラウドにリフトすることは避けて、オンプレミスで堅牢なハードウエアとシステムを利用し続ける選択肢もあるでしょう。


 一方で、システムの多くは、万が一のクラウドの障害時に短期間で自動的に復旧するソリューションがあれば、求められる可用性が保たれます。オンプレミスで運用していた時に、OSやアプリケーションを自動復旧させるミドルウエアなどの導入によって可用性を担保していたシステムであれば、IaaSの利用でも同様の手当をすれば良いと考えられます。



OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS

CTC クラウドサービス企画開発部 納城 智成



アプリケーションそのものに、自動的に復旧する機能を組み込むことができれば、可用性を担保できるでしょう。

 しかし、一部の商用ゲームなどを除けば、アプリケーションへの可用性機能の組み込みはコストや工数から現実的ではありません。

 高可用性を保つためのHAクラスターソフトを利用することが現実的な解になります。」(納城)





4.20年の実績を誇るHAクラスターソフト「LifeKeeper™」でVMC on AWSを守る

 HA(High Availability ; 高可用性)クラスターソフトの代表的な製品で、長年の実績を持つのがサイオステクノロジーの「LifeKeeper」です。


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 CTCでは、VMC on AWSの可用性を担保するためのソリューションとしてLifeKeeperを推奨しています。


VMC on AWSで可用性を担保するには、LifeKeeperのようなミドルウエアの利用が必要です。

 LifeKeeperを提供するサイオステクノロジーとCTCは、CTCが提供する「TechnoCUVIC(テクノキュービック)」や「CUVICmc2(キュービックエムシーツー)」といったクラウドサービスで連携してきた経緯があります。


 オンプレミスでも仮想環境でも、そしてクラウドでも実績があるLifeKeeperを利用することで、OSやアプリケーションのレベルの可用性をVMC on AWSに移行しても担保できると考えています。」(布施)



 VMC on AWSもAWSもサポートしているLifeKeeperならば、VMC on AWSとネイティブのAWSの差異を意識することなく、可用性を担保できます。

 納城もこう続けます。


AWSのようなクラウドでは、前述したように障害試験が行えません。

 そうしたとき、これまでにHAクラスターソフトとして培ってきたLifeKeeperの実績は大きな評価基準になります。




OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS
図 2. LifeKeeper と VMC on AWS による可用性の担保





 サイオステクノロジーBC事業企画部の西下容史氏は、LifeKeeperを次のように説明します。



LifeKeeperはグローバルで25年にわたり、6万ライセンスの導入実績があります。

 大手のパブリッククラウドのトラブルが実際に起こっている今、システムが停止したことで大きな金銭的なダメージを受けることがリアルに感じられると思います。

 LifeKeeperを導入していれば、自動的に待機系に切り替えてシステムの復旧ができ、リスクを大きく減らすことができます。


OSとアプリの可用性|Lifekeeper & VMware Cloud on AWS

サイオステクノロジー BC事業企画部 西下 容史氏





さいごに

 CTCとサイオステクノロジーは、VMC on AWS上にアクティブ/スタンバイのHAクラスター環境を構築し、VMC on AWSにおけるLifeKeeperの効果検証を共同で実施しました。

 両社はその内容をホワイトペーパーにまとめ、「オンプレミスからVMC on AWSへの移行を検討する企業や組織に対する可用性確保の指針」として提供しています。

 オンプレミスのvSphereの環境を、高可用性を確保してクラウドに移行することを検討する際には、VMC on AWS上でLifeKeeperの動作を検証したホワイトペーパーをぜひご一読いただき、可用性の確保への一助にしていただければと思います。



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 LifeKeeper の詳細については、下記よりご覧いただけます。

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