基幹系のクラウド化で選ぶ配備モデルは|上場企業のITリーダー215名に聞く

基幹系のクラウド化で選ぶ配備モデルは|上場企業のITリーダー215名に聞く

 すでに幅広いシステムに広がっているクラウドシフト。

 しかし基幹系システムなどの重要システムをどうクラウド化すべきなのか、悩んでいるCIOやIT担当者は少なくありません。その参考にするため、ぜひとも知りたいのが他社の課題認識や動向ではないでしょうか。

 そこで、2019年5月と2020年11月に伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)が実施したアンケート調査を元に、基幹系システムを中心としたリプレースの実態を見ていきます。(調査結果をまとめた資料については、本記事の最下部よりダウンロードいただけます。)



▼ 目次
基幹系システムの最大の悩みは高額な運用コスト
国内企業が魅力を感じている「DHPC型クラウド」
CTCが提供する3種類のDHPC型クラウドサービス
メガクラウドの提供やマルチクラウド運用支援も





1. 基幹系システムの最大の悩みは高額な運用コスト

 「クラウドファースト」の掛け声のもと、大きな流れとなっているクラウドシフト。民間企業はもちろんのこと、政府も「クラウド・バイ・デフォルト原則」を掲げ、クラウドへの移行を進めています。

 では基幹系システムのクラウドシフトは、実際にどこまで進んでいるのでしょうか。

 今回取り上げる調査は、伊藤忠テクノソリューションズが顧客企業(年間売上200億円以上の企業に勤める情報システム部門〜役職者)を対象に実施したもので、2019年5月と2020年11月の2回にわたって実施した調査になります。

  • 調査目的
    • 基幹系に対するニーズ、検討ポイントなどを明確化する
  • 調査対象
    • 売上200億以上、情報システム部門、役職者(サンプル数 215 名)
  • 調査期間
    • 2020年11月27日~11月29日
  • 調査元
    • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)
  • 調査方法
    • インターネットを利用したパネル調査
    • 2019年5月に実施した内容と同条件で調査を実施



 まず着目したいのが、基幹系システムにおいて何を「重要な課題」だと位置づけているのか、ということです。

 この設問に対し、2019年5月の調査で最も多かったのが「運用コストが高額である」(26.8%)でした。これに「システム運用負荷が高い」(16.9%)、「メンテナンスなどが属人的になっておりシステム構造が不明」(14.7%)、「業務アプリの老朽化・保守サポート切れに対応できていない」(14.7%)が続きます。運用コストや人的負担に、多くの企業が頭を悩ませている状況が浮かび上がります。

 次に同様の質問に対する2020年11月の調査を見ると、「運用コストが高額である」「機械学習、RPAやIoTなど新しいテクノロジー・機能を活用できない」といった回答が増えている一方で、「ハード/業務アプリの老朽化・保守サポート切れに対応できていない」という回答は減少していました。


表 1. 重要と位置付けている基幹系システムの課題(前年度調査結果との比較)未来の基盤も支える、CTCのクラウド




 この結果からIaaSやSaaSの導⼊が進んだことで、ハードウェアやアプリケーションの保守切れ対応に頭を悩ませる場⾯が減ったと考えられます。ただし『基幹系システムの再構築のきっかけ』を問う設問においては、依然として『製品の⽼朽化・サポート切れ』を挙げる回答が最も多かったため(53.5%)、多くの企業がまだまだオンプレミスのインフラを運⽤する状況にあることが分かります。





2. 国内企業が魅力を感じている「DHPC型クラウド」

 それでは実際に基幹系システムを再構築する際に、どのような点を重視して検討が行われているのでしょうか。これに関しては「運用・導入コスト」「セキュリティ」「従来システムとの互換性」がトップ3となりました。また第5位に「自社業務に合わせたカスタマイズの可否」が挙がっているのも、注目すべきポイントだと言えるでしょう。



表 2. 基幹系システム再構築時の検討ポイント
未来の基盤も支える、CTCのクラウド




 これは国内企業特有の傾向だといえるかもしれません。欧米などの海外企業の場合、業界標準業務プロセスを実装したSaaSを短期間で導入し、それに自社の業務を合わせるのが一般的です。これに対して日本では事業部門の発言力が大きいこともあり、システムを現行業務に合わせてカスタマイズしたいという要求が強いのです。

 このような傾向は「システムの利⽤形態に対する魅⼒度」を問う設問への回答にも現れています。最も魅力的だと回答されたのは導入ハードルが低く運用も容易な「SaaS」(72.1%)でしたが、これに「プライベートクラウド(専有型IaaS)上に構築&外部運⽤」(70.2%)が続いているのです。これは「ユーザーが⼀定区画のクラウドリソースを占有できるIaaS型クラウドサービス」のことであり、近年では「Dedicated Hosted Private Cloud(DHPC)」とも呼ばれています。つまり基幹系システムなどの重要システムをクラウド化する場合には、高い専有性が求められるケースが少なくないのです。

 「基幹系システムのIT基盤を検討する際、積極的に採⽤を進めたい配備モデル」を問う設問でも、従来のオンプレミス型やプライベートクラウド型、パブリッククラウド型と⽐べ「DHPC型」の回答数が最も多く、DHPC型クラウドが多くの国内企業から注目を集めていることが伺えます。


表 3. 基幹系システムのIT基盤を検討する際、積極的に採⽤を進めたい配備モデル未来の基盤も支える、CTCのクラウド




 さらに、基幹系システムを「クラウドで運⽤する場合に重要視する項目」を問う設問で、2019年5月と2020年11月で回答に変化が見られることも、興味深い点だと言えるでしょう。利便性やセキュリティ、コンプライアンスに対する懸念を挙げる回答が減った一方で、「専任のサポート体制・要員が提供される」(5.9ポイント増)、「⾃社の現⾏システムや運⽤について⼗分把握している」(5.0ポイント増)、「災害対策がサービスとして提供されている」(1.7ポイント増)が増えているのです。

 これはクラウド利⽤が企業に浸透した結果、利便性や安全性が多くの⼈に認知されつつあることが分かる⼀⽅で、すでにクラウドを利⽤してきた企業からは、新たな運⽤の課題やニーズが出てきたことがうかがえる結果ではないでしょうか。

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3. CTCが提供する3種類のDHPC型クラウドサービス

 以上の調査結果からわかるのは、基幹系システムのクラウド移行では必ずしもパブリッククラウドにこだわるのではなく、高い可用性や運用の利便性を備えたDHPC型のクラウド基盤が求められているということです。このニーズに対応するためCTCでは、ホステッドプライベートクラウドサービス「CUVICシリーズ」を提供しています。その提供形態は大きく3種類あります。



未来の基盤も支える、CTCのクラウド

図 1. CTCが提供する3つのDHPC型クラウド




 第1の形態は、CTCが運営するデータセンター内に構築したクラウド基盤を、ユーザー企業が⼀定量専有する「TechnoCUVIC VP」です。これは⼀般的なパブリッククラウド基盤に比べて可⽤性が⾼く、企業ITシステムの運⽤に特化した機能も装備。すでに12年にわたるサービス提供実績を持ち、100社近い企業がこの上で⾃社の業務システムを運⽤しています。

 第2の形態は、TechnoCUVIC VPのクラウド基盤をそのままユーザー企業のデータセンターに構築する、というものです。これは「TechnoCUVIC Zero」と呼ばれており、「クラウドのメリットは享受したいが、外部のデータセンターに⾃社のアプリケーションやデータを出したくない」という企業に利用されています。これによって⾃社のデータセンターにアプリケーションとデータを留めたまま、クラウドならではの運⽤効率化や柔軟性向上といったメリットを享受できるようになります。

 そして第3の形態が「CUVICmc2」です。これはTechnoCUVIC VPよりさらに1ランク上の可⽤性を保証したサービスであり、すでに40社程度の企業がSAP ERPをはじめとする⼤規模な基幹系システム運用に活用しています。なおCTCの親会社である伊藤忠商事も、SAP ERPの最新バージョンであるSAP S/4HANA環境をCUVICmc2で運⽤しています。





4. メガクラウドの提供やマルチクラウド運用支援も

 これら3つのホステッドプライベートクラウドサービスは、可用性や堅牢性に関してシビアな要件を持つ基幹系システム向けに提供されています。これらに加えてCTCでは、可⽤性や堅牢性よりスピード感やコストを優先する案件への対応も、積極的に行っています。

 ⾼い信頼性が求められるコーポレートITのニーズに対してはDHPC型のクラウドサービスを中⼼に提供しつつ、スピード感や先進性が求められるビジネスIT(DXへの取り組みなど)についてはAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドサービスを適⽤しています。CTCではAWSやMicrosoft Azureのパートナークラウドも⼿掛けており、このような適材適所での柔軟なシステムアーキテクチャを構築できる点も、強みの⼀つになっています。

 もちろん各企業が直面する個別の事情やシステムの特性によっては、どうしてもオンプレミス環境での運用が必要なケースもあります。この場合には、オンプレミスとDHPC型クラウド、パブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドを運用することになるでしょう。しかし最近では情報システム部門の人手不足が大きな問題になっており、複数のインフラを同時並行で運用することは簡単ではありません。

 このような悩みに対しても、CTCは解決策を提示しています。それが、マルチクラウドの運用をひとまとめにして請け負うマネージドサービス「CUVIC MMCP」です。その対象としては、CTCが提供するDHPC型クラウドはもちろんのこと、他ベンダーが提供するクラウドサービスやオンプレミスシステムもカバーされています。これを活用することで、マルチクラウド環境の監視やデータバックアップといった通常の運用業務に加え、サイバー攻撃や情報漏えいなどのインシデント対応に関しても、CTCの運用技術者に任せることが可能になります。


未来の基盤も支える、CTCのクラウド

図 2. CTCのマルチクラウドプラットフォーム




 CUVIC MMCPを中⼼とした運⽤サービスの拡充は、お客さまの重要インフラを⽀える上で重要な鍵を握っています。そのために当社では、別途提供するセキュリティ対策ソリューションをCUVIC MMCPの中に組み込んでいき、包括的な運⽤サービスを目指す考えです。

 国内企業が魅力を感じているDHPC型クラウドに加え、メガクラウドの提供や運用サービスも手掛けるCTC。このようなパートナーがいれば、自社に最適な形で基幹系システムをクラウド化することも、容易になると言えるのではないでしょうか。






まとめ

 本記事でお伝えしたポイントをまとめると以下のようになります。

  • 日本企業は、業界標準業務プロセスを実装したSaaSを短期間で導入しそれに自社業務を合わせるのではなく、自社業務に合わせたカスタマイズを行いたいというニーズが高い。
  • このようなニーズに対応できるクラウドとして「DHPC(Dedicated Hosted Private Cloud)型クラウド」がある。
  • CTCは「TechnoCUVIC VP」「TechnoCUVIC Zero」「CUVICmc2」という3つの形態で、このDHPC型クラウドを提供している。その一方でAWSやAzureといったメガクラウドの提供も手掛けている。
  • さらに、マルチクラウド運用を請け負うマネージドサービス「CUVIC MMCP」も提供しており、ハイブリッドクラウド環境の運用負荷軽減にも貢献している。




 「TechnoCUVIC VP」「TechnoCUVIC Zero」「CUVICmc2」「CUVIC MMCP」の詳細については、以下よりご欄いただけます。

  • TechnoCUVIC VP
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 調査結果をまとた資料は、以下よりダウンロードできます。


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