スモールスタートに対応したVMware Cloud™ on AWSの活用方法とは?

スモールスタートに対応したVMware Cloud™ on AWSの活用方法とは?

 アプリケーションに手を加えることなく、オンプレミス環境からクラウドへの移行を可能とするVMware Cloud on AWSに、多くの企業が関心を寄せています。

 しかし、最小構成でも2ホスト以上で契約しなければならないため、100台以上の仮想マシンを動作させるなど、システムに一定の規模がないと費用対効果を得にくいのがネックでした。

 そこで、VMware Cloud on AWSの利用を考えているものの、価格や規模感が自社の要件に合わず導入に悩まれている方に向けて、小規模から始められる(スモールスタート)方法をご紹介します。




▼ 目次
VMware Cloud on AWSに不向きなシステムとは
スモールスタートに対応したVMware Cloud on AWSマルチテナントサービス
月額25万円から利用可能なプランをご用意
変動のない月額固定料金
マルチテナントサービス向けバックアップサービス
運用負担を軽減するCTCのサポートサービス




1. VMware Cloud on AWSに不向きなシステムとは

 VMware Cloud on AWSはアマゾン ウェブ サービス(AWS)のベアメタル環境上で稼働するVMware vSphere®ベースのIaaSです。

 VMware Cloud on AWSは、すでに多くの企業に利用されており、AWSのグローバルインフラ上に展開されているクラウドサービスであるため、AWSの各種サービスと非常に高い親和性を有しています。

 最大のメリットは、これまでオンプレミス環境で利用してきたVMware vSphereベースの仮想化基盤をそのままAWSグローバルインフラ上に再現できる点があります。

 したがって、既存のオンプレミスの仮想マシンにほとんど手を加えることなく、容易に仮想マシンをVMware Cloud on AWSに移行できます。また状況次第では、VMware Cloud on AWSに移行した仮想マシンを、再びオンプレミスに戻すといった柔軟な対応も可能です。


VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは



 ただし、VMware Cloud on AWSは、あらゆるユースケースに適用可能なサービスではないのも事実です。

 VMware Cloud on AWSではリソースの追加/削除がホスト単位となるため、Amazon EC2 のように、インスタンス単位によるリソース追加はできません。

 要するに、下記に該当するユースケースにおいては不向きだったのです。

  • VMware Cloud on AWSをスモールスタートで利用したい
  • システムのうち一部をVMware Cloud on AWSに移行したい


 大まかな目安でいえば100VM以上の規模感で利用しないとリソースを持て余してしまい、費用対効果を十分に得られないというのが課題でした。


VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは

図 1. VMware Cloud on AWSはシステムの一部をクラウド移行するというニーズに対応しづらい





2. スモールスタートに対応したVMware Cloud on AWSマルチテナントサービス

 VMware Cloud on AWS をスモールスタートができるようにするための新たな選択肢として、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は2021年10月27日より「VMware Cloud on AWS マルチテナントサービス」の提供を開始しました。

 VMware Cloud on AWSマルチテナントサービスは、いわば共有マンションのようなイメージです。

 CTCが土地と建物(=VMware Cloud on AWS)を用意し、マンションの管理人となり、各住戸(=顧客の各インフラリソース)に入居したお客様をサポート。

 これにより、単一のお客様では過剰であった専有環境のリソースを、複数のお客様で共有することで、アプリケーションを作り変えることなくクラウド化することが可能になり、VMware Cloud on AWS 環境をスモールスタートでご利用いただけます。


VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは

図 2. VMware Cloud on AWSのリソースを分割したマルチテナント構成イメージ




 なお、ユーザーの拠点とVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスのリソース間のデータ通信に関しては、IPsec-VPNを利用したセキュアな閉域接続も可能です。






3. 月額25万円から利用可能なプランをご用意

 VMware Cloud on AWSマルチテナントサービスは、下記2種類のリソースパックを提供しています。

  • Starterパック
  • Basicパック
  • Advancedパック


 いずれも契約期間は3年間、1年間、1か月のプランが用意されており、契約期間が長期にわたるほどディスカウント率が高くなります。

 3年契約を結べばStarterパックは25万円から利用できます。

  • 運用管理ポータル提供(契約リソースのみVMware vCenter®参照権限有)
  • HA予約領域確保済み
  • ストレージはRAID構成済み
  • Windows Server SPLA 料金込み
  • AWSデータ通信/EIP 料金込み
  • 弊社サポート費用込み


 CTCによるサポート費用やVMware Cloud Director service のユーザーポータルの利用料金などもすべて含まれています。



VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは

図 3. 提供リソースパック




 月額料金の詳細を記した資料については、以下よりご覧いただけます。



関連記事を読む






4. 変動の無い月額固定料金

 VMware Cloud on AWSマルチテナントサービスは月額固定料金です。


VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは



 特筆すべきは、クラウド環境でWindows Serverを利用する際に、インスタンス単位で購入しなければならなかったSPLA(Service Provider License Agreement)ライセンスまで含まれていることです。

 VMware Cloud on AWSマルチテナントサービス上でリソースが許す限り仮想マシンを立ち上げ、追加コストを負担することなくWindows Serverを利用できます。

 前述したとおりVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスはAWSグローバルインフラ上に展開されているため、インターネットに出ていく通信は本来別枠での課金対象となりますが、BasicパックやAdvanceパックにはこの料金もすべて含まれています。

 元来、AWSの通信料金は従量課金となるため、毎月利用額の見込みが立てづらく煩雑な予実管理を実施していたと思いますが、そういった手間もなくなります。


VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは



 そのほかにもVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスでは、VMware Cloud Director Availability™というマルチテナントに特化した移行ツールを利用可能で、マルチテナント環境であったとしてもセルフサービスで仮想マシンの移行が実現可能なため、都度CTCに移行作業を依頼しなくても、適切なタイミングにて移行作業を実施することができるなど、さまざまなメリットを有しています。





5. マルチテナントサービス向けバックアップサービス

 オンプレミス環境と同様に、VMware Cloud on AWSマルチテナント上で動作している仮想マシンデータを、別環境のNative AWSストレージサービスへ安全にバックアップ・保護する事が可能なバックアップサービスを利用する事が可能です。


VMware Cloud™ on AWSをスモールスタートで利用する方法とは

図 4. マルチテナントサービス向けバックアップサービス概要




 マルチテナントサービス向けバックアップサービスメニュー、料金の詳細を記した資料については、以下よりご覧いただけます。



関連記事を読む






6. 運用負担を軽減するCTCのサポートサービス

 CTCのVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスでは、下記のサポートサービスを提供します。

  • お客様からの問い合わせ(Q&A)対応
  • 仮想基盤の障害やメンテナンスに関するベンダーとの連携や通知対応
  • インターネット等の外部とのセキュリティ制御やサーバ公開に伴うグローバルIPアドレス予約と割り当て
  • 仮想マシンを即時デプロイできるようにするためのカタログ提供


 VMware Cloud on AWSとVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスでは、オペレーションが若干異なる部分もあります。

 VMware Cloud on AWSマルチテナントサービスでは、VMware vCenter®やVMware NSX Manager™を使ったオペレーションは利用しません。

 その代わりにVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスでは、VMware Cloud Director serviceのWebポータルが提供されます。

 Webポータルでは下記の運用管理を行えます。

  • 仮想マシンやネットワークの作成
  • ファイアウォールやNATなどの設定の一元管理
  • ポータルから仮想マシンに対してのコンソール接続(別途メンテナンスラインを用意するといった特別な対応は不要)


 一方、仮想マシンのリソース確認に関してはこれまで使い慣れたVMware vCenterを使うことが可能で、お客様が管理する仮想マシンに対してのみRead Only権限を持ったロールで接続し稼働状況を参照できます。






まとめ

 当記事では以下についてお伝えしました。

  • 小規模な環境では VMware Cloud on AWS(シングルテナント)の費用対効果が見込めなかった
  • スモールスタートに対応したVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスをCTCが提供している
  • VMware Cloud on AWSが月額25万円から固定料金にて利用可能となっている
  • オンプレミス環境と同様に仮想マシンデータをNative AWS環境にバックアップを行えるオプションサービスも利用可能
  • 運用負担を軽減するCTCのサポートサービスを利用いただける


 CTCが提供するVMware Cloud on AWSマルチテナントサービスは、従来の2ホスト構成よりも小さいサイズからVMware Cloud on AWSをスモールスタートできるサービスとして、より多くの企業のクラウド移行を支援します。

 VMware Cloud on AWS を利用したくても、規模感が合わずに手が出せない、利用料金が高いと感じている企業へ、VMware Cloud on AWSのリソース(CPU/メモリ/ストレージ/NW)をお客様のサイズに分割、管理し提供する「VMware Cloud on AWSマルチテナントサービス」は最適なサービスとなっています。

 VMware Cloud on AWSマルチテナントサービスに関する詳細やセミナー情報については、以下よりご欄いただけます。


VMware Cloud on AWS の詳細



ご意見・ご要望・ご感想をお聞かせくださいお寄せいただいたご意見を参考に、Webサイトの改善や情報発信に努めて参ります。





関連記事はこちら