タブレットの業務活用が進まない4つの原因と4つの対策

4つのベストプラクティス

法人向けタブレットは業務効率化に寄与することが期待されているため、経営層や現場のユーザーからのニーズが高い。しかし、タブレット導入の検討を始めると、導入を妨げるいくつもの障害に直面することが多い。本記事ではタブレットの業務活用が進まない原因と、最新技術を利用した対策方法を解説する。

高まるタブレットに対する期待

タブレットの業務活用は接客サービス強化、ペーパーレス化等の導入成果をもたらし始めている。一般消費者の間でタブレットが一般的になるにつれ、“真新しさ”ではなく、業務効率化の観点で力を発揮することが確認され、法人向けタブレットが普及期に入ったと言えよう。しかし、企業によっては一向に検討が進まず、導入に至らないという声も聞かれる。検討が進まない原因にはどのようなものがあり、情報システム部はどう対策を講じればよいのだろうか。

◎原因1:タブレット導入目的が不明確

「社長が導入しようと言ったから」「競合他社が導入したから」といった受動的な理由でタブレット導入の検討が開始されるケースも少なくない。利用用途や達成するべきゴールが設定されていないため、「部署毎に一台ずつ配布して様子を見よう」といった曖昧なスタートを切ってしまい、結果として誰もタブレットを使用せず、投資が失敗に終わったという事例も報告されている。

■対策1:スモールスタート

導入目的や投資効果の測定について、会社全体の合意が得られていない場合、小規模な導入から始める「スモールスタート」が欠かせない。まず、パソコンと異なるタブレットの特性を活かしやすい営業部員などを選び、顧客へのプレゼンテーション、営業資料の電子カタログ化など特定のテーマで導入を開始する。少人数チームでの導入経験をもとに、要件や運用ルールを徐々に精緻化し、段階的に導入を進めていく方法が推奨される。

◎原因2:コストが膨らむ懸念

利用目的が不明確な状態では、大規模な投資を行い、タブレットを購入することは難しい。ユーザーに端末を買い与えたところで、どれほど効果的に活用されるか不明確だからだ。現在のパソコンに加えて、新たに端末を購入し、資産管理・アプリケーション管理などの新たな運用手順を追加するのは、情報システム部にとって大きな負担になり得る。

■対策2:BYOD

BYOD (Bring Your Own Device) と呼ばれる方針が一部の企業で人気を集めている。BYODとは個人端末の業務利用を許可することを指し、企業としてはコストをかけずに端末を導入できるメリットがあり、ユーザーとしても使い慣れた端末・アプリを活用できる利点がある。現在は紛失時の遠隔ロック機能やデータ管理機能が多くの端末に普及してきているため、正しく情報ポリシーを制定し、セキュリティ対策を講じれば、十分にビジネス利用に耐えうる手法になってきた。モバイル端末が普及した現在で最も避けるべきは、セキュリティ対策をしないまま、なし崩し的に個人端末がオフィス内で使用される事態だろう。

◎原因3:厳しすぎるセキュリティ設定

タブレットは持ち運びが便利である一方で、置き忘れ等による紛失が高まる。また、悪意のあるアプリを導入してしまうとウィルスに感染する恐れもあるだろう。BYODを許可した場合は特に、セキュリティ設定には敏感になってしまう。しかし、セキュリティ設定を厳しくしすぎると、ユーザーの使い勝手を損ねてしまう場合もある。例えば、アプリストアからの導入を完全に禁止してしまっては、タブレットの利便性が発揮できず、結局誰も使わないという結果に陥ってしまうだろう。

■対策3:MDM

MDM (Mobile Device Management) 、モバイルデバイス管理ツールの発展により。タブレットの運用管理は飛躍的に進歩している。MDMとは情報管理ポリシーの下で複数の端末を一元管理する仕組みである。パスワードロックやリモートロックといった紛失・盗難時の対策、カメラやアプリの使用許可制御、OSバージョンや端末ID等の端末情報管理といった豊富な機能が実現されるようになった。適切なセキュリティレベルを必要に応じて設定できるようになったのだ。

◎原因4:膨らむシステム要件

モバイル端末は様々なバージョンや機種が混在しがちである。モバイル端末を業務利用すると、その端末と使われる業務の組み合わせは膨大な数に上ってしまう。その全てに対して、固有のアプリケーションを開発するのは現実的ではない。例えば、iOS 7向けのアプリを開発しても一年後にはiOS 8への対応が必須となり、同時に、Windows 10への対応要求も出てくるだろう。アプリ開発には、各種端末への配布作業も必要になるため、その運用負担は計り知れない。

 

4つのベストプラクティス

タブレット導入を推進する4つのベストプラクティス

■対策4:クラウドサービス

開発・運用コストを考慮すると、カスタムアプリの開発は行わず、既存のクラウドサービス利用を進めるのが賢い選択だ。OSや機種の更新に際しても、クラウドサービス提供者が対応するため、自社内で対応する手間が省ける。MDMと同様に、自社に固有ではない機能については外部のツールを柔軟に活用することで、タブレット導入におけるコストを最適化できるのだ。

 

最後に

タブレットは法人が生産性向上に活用する手段に変わってきた。使用用途・コスト・セキュリティ・システム要件等の検討課題があるが、BYODやMDMといったベストプラクティスを採用することで、タブレットの業務活用を進めることが期待される。

 

 著:ビジネス on IT運営事務局、タブレット班

 

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