なるほど納得!次のIT基盤を検討する担当者のための『よろず相談室』(7月)

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ビジネス on IT事務局では毎月1回、システム部門インフラ担当者、システム基盤をクラウドへ移行を検討しているシステム担当者、クラウド基盤の運用に課題を抱えているシステム担当者などを集めて勉強会を開催しています。
勉強会では参加者からのさまざまな質問が飛び交い、経験豊かなITコンサルタントが回答します。

今月はいったいどんな質問があったのでしょうか?

検証機のみクラウドへの移行を検討していますが、懸念すべき点はありますか?

回答:パブリッククラウド利用の場合、従量課金メニューを選ぶことでコストを抑えることが期待されますが、契約した環境が常時稼働する場合は割高となる可能性があります。そのためコスト的なメリットを出すには必要なときのみ稼働させておく運用面での仕組みと工夫が必要となります。

また、「検証機はパブリッククラウド」で「本番機はオンプレミス」のように使い分けるケースは増え、対クラウドベンダーへのコストが抑えられた一方で、運用効率が悪化したために自社の運用負荷が増加したケースも散見されます。見落としがちではありますが、運用効率の側面での十分な事前検証が必要となります。

基幹系システムのクラウド導入事例をよくネット上で目にしますが、実際のところはどうなのでしょう?

回答:実際に基幹系システムが稼働するパブリッククラウドの事例は全体のなかではとても少ないと思われます。基幹系システムクラスになると要件も大幅に多様化し、クラウドベンダーから提供される標準メニューでは要件に見合わなくなります。そのため、個別に基盤構築・運用設計された環境をクラウドベンダーがサービス形式で提供されるケースが多いのではないでしょうか?

ただし、欧米ではパブリッククラウド上で基幹系システムが稼働するケースが2年前ぐらいから増加傾向にあり、今後日本でもその波が来ることが予想されます。

クラウドへの取り組みに関して業界ごとの傾向はあるのでしょうか?

回答:業界ごとに特色があります。一般的には、企業が取り扱う製品のライフサイクルが短いとクラウドを採用する傾向が高く、逆に製品のライフサイクルが長いとクラウド採用する傾向が低いと解釈しています。

前者の例としては流通業界。自社でIT資産持つことを好まず、より柔軟性を重視する傾向がみられます。

後者の例としては重機械などの製造業界。柔軟性より安全・安定にプライオリティを置いているため自社でIT資産を持つことが優先されるようです。

一方で監督官庁からの制限が強い金融業界は、クラウドと距離を置く代表格との印象が強いですが、徐々にクラウドを検討し始めている傾向がみられます。 クラウドセキュリティ推進協議会(JASA)によるクラウドセキュリティ・マークのように日本のクラウドにおける監査も本格化し始めたため、業界問わずクラウドの導入が進んでいくと予想しています。

編集:ビジネスon IT運営事務局(基幹特化型IaaS班)

 

 

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