Excelの限界とデータ分析ツールへの気づき(第2回)
Excelマスターが会社のビジネスデータ分析の邪魔になる! 佐藤課長を襲った衝撃の事実とは?

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Excelの限界とデータ分析ツールへの気づき

長年のライバルであるB社の売上急伸をきっかけに、その背後にある謎のシステムの調査を開始した佐藤氏は、やがてあるITベンダーのセミナーに参加することになります。そこで佐藤氏を待ちかまえていたのは、自らが「最強のビジネスツール」として信じてやまないExcelの限界と、予想もしなかった衝撃の事実でした。

 

※第1回 Excelによるデータ活用の課題・限界への気づき
それは、ある日、突然訪れた! Excelによるビジネスデータ分析の限界

B社にシステムを納入したITベンダーが発覚! 佐藤課長は謎のセミナーに臨む

突然の売上急伸を見せたB社。その背後にある謎のシステムについて調査を開始した佐藤課長は、まず、B社の情報システム部門の人の動きを確認しました。しかし、新しい人材が入った様子はありません。IT人材という点では、むしろA社の方が充実しています。事実、B社には佐藤氏のようにExcelを駆使できる人材はほとんどいません。

となると、やはりポイントはシステムそのものにある。そう考えた佐藤氏は、さらに調査を続け、B社にシステムを納入したITベンダー C社の存在を突き止めます。そして、C社のWebサイトを丹念にチェックした結果、C社が次のようなセミナーを繰り返し開いていることを知りました。

Excelによるビジネスデータ分析の限界~今こそExcelからの脱却を!

「Excelこそ最強のデータ分析ツール」との信念を持つ佐藤氏にとっては、信じがたいセミナーです。以前の佐藤氏であれば、「またITベンダーが不安をあおって……」と歯牙にもかけなかったでしょう。しかし、いまは事情が異なります。さっそく、参加登録を行い、1週間後、C社本社で開催されるセミナーに参加することになりました。そして、このセミナーが、佐藤氏を大きく変えることになったのです。

Excelが抱える3つの課題、最大の課題は専門的な知識・スキルを必要とすること?

セミナー冒頭は、Excelによるデータ分析の限界についてのセッションでした。C社の担当者が登壇し、まず、Excelが持つ次の2つの課題を指摘しました。

   

   1. Excelは分析できるデータ量に限界がある。

   2. Excelでは基幹システムのリアルタイム分析ができない。

 

確かにそのとおりです。ただ、いずれも佐藤氏自身が以前から認識していた問題です。技術的には解決できると考えていたので、驚くことはありませんでした。基幹システムからCSVファイルを抜き出すのではなく、基幹システムのデータベースを直接読んで分析する仕組みは、以前から検討し、いずれは導入しようと考えていたのです。ところが、担当者が語った3つ目の課題は、佐藤氏にとって衝撃でした。

 

   3. Excelは専門的な知識・スキルが必要。

 

なぜ、それが課題なのか? 担当者は、次のように続けました。

「多くの会社には、Excelに精通し、データ分析に活用しているExcelマスターがいます。しかし、そのExcelマスターの存在が、会社全体のビジネスデータ分析を阻害している原因なのです。考えてみてください。その人がいなくなったら、その会社はどうなるでしょうか。特定の人物にデータ分析を依存することは、会社にとってのリスクです。これからは、特定の人物だけがデータ分析する時代ではありません。現場にいる担当者一人一人が、データ分析の主役になるべきなのです」

そのあとの話は、佐藤氏の耳には入ってきませんでした。もしも、自分がいなくなったら……。それは、佐藤氏自身、漠然と感じていた不安そのものだったのです。しばらく呆然としていた佐藤氏ですが、次の瞬間、さらなる驚きが佐藤氏を襲います。なんと、目の前に、ライバルであるB社の営業担当者が登壇したのです。

衝撃の事実、B社躍進のきっかけを作ったのは佐藤氏自身だった

C社が開催したセミナーでは、同社のシステムを導入した企業の担当者が招かれて、成功事例のセッションを行うことになっていました。B社の営業担当者が登壇したのも、それが理由だったのです。そして、呆然とする佐藤氏を前に、B社の担当者は次のように語りました。

「弊社の競合には、Excelによるデータ分析に秀でた人物がいます。弊社にとっては、その人物の分析能力をいかに凌駕するかが最大のテーマでした。ただし、弊社にはその人物に匹敵する分析能力を持つ人材はいません。そこで、C社のシステムを導入し、ITスキルがそれほど高くない現場の社員全員でデータ分析できる環境を整備したのです。一人では戦えませんが、全員でなら戦えます。それが、C社が提案してきたBIシステム、つまり『ビジネス・インテリジェンス・システム』だったのです」

原因は自分にあった…。幸い、B社の担当者は佐藤氏の存在には気づいていないようです。衝撃の事実を突きつけられた佐藤氏は、静かにセミナー会場を抜け出しました。

 

次回、会場を後にした佐藤氏の決断をご紹介します。

 

※第1回 Excelによるデータ活用の課題・限界への気づき
それは、ある日、突然訪れた! Excelによるビジネスデータ分析の限界

※第3回 BIシステムの特徴とメリット
BIシステムで全員が情報武装せよ! 新佐藤レポートでA社の反転攻勢がはじまる


 

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