もっと情報を活用するためのデータ分析の考え方(1/2)

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今データ活用に何が求められているか?企業が業務を遂行してビジネスを拡大させていくためには、社内外にある情報を分析して活用することは必要不可欠です。最近では、利用できる情報やデータの量が膨大になっており、どのようなデータを活用して分析・予測するかによってビジネスの命運が分かれるといっても過言ではない状況となってきています。そのような中で、現在注目を集めているのが「セルフサービスBI」と呼ばれるツールの存在です。セルフサービスBIによって、どのようなデータ活用が行えるのか、どのようにセルフサービスBIツールを選べばよいのかについて、2回にわたって考えていきます。

素早く簡単にデータ分析を実現する「セルフサービスBI」

企業のIT活用が進み、ERPやCRMなどを導入する企業が増えてきています。それらのシステムが吐き出すデータを有効活用してビジネスに役立てるために、データを集約して整理し、分析・予測を行えるツールを導入しようとする動きも加速してきました。
ガートナーの用語集を見ると、セルフサービスBIは「承認済みでサポートされたアーキテクチャとツールポートフォリオの中で、エンドユーザー自身がレポートや分析を独自に行って配布できるツール」と定義されています(http://www.gartner.com/it-glossary/self-service-business-intelligence)。では、セルフサービスBIツールによって、どのようなメリットが企業に生まれてくるのでしょうか。
最も重要なのは、分析したい現場の社員が手軽に分析を行えることです。従来のBIツールは、情報システム部が主導でシステム構築などの手間やコストをかけて導入し、データサイエンティストなどの専門家が分析を行っていました。しかし、情報システム部や専門家の考える分析の考え方と、現場の人が必要とする分析の考え方にはギャップがあるため、本当に必要な分析結果を得られないといった課題もありました。また、新たな分析を行いたくても、分析を依頼して結果を得るまでに時間がかかることもあります。手軽で素早く自分自身で分析を行えるセルフサービスBIであれば、思いついたアイデアを元にビジネスの状況をすぐに把握することができるようになります。全社単位や部門単位で決められた定型的な分析・予測だけでなく、多角的に分析を行うことで新たな“気づき”が生まれ、ビジネスに役立てることができるのです。

セルフサービスBIの活用例

セルフサービスBIのもう1つの特長は、わかりやすくビジュアライズされた分析結果を出せることです。グラフだけでなく、地図を使って位置関係なども把握できるような分析が行えます。たとえば、流通・小売などの場合、競合店舗の価格状況や推移のデータを地図上に表示させて、自社の店舗で適正な販売価格を決定するために役立てることができます。また、これまでは社内のシステムからのデータを活用することばかりが注目されてきましたが、データソースを社内のデータベースだけでなく、Webやクラウドから取得できることもセルフサービスBIの特長です。各都市の人口データや産業関連のデータをWeb上の統計資料から取得し、地図上に表示させることも簡単に行えます。また、データを自動的に更新するように設定することもでき、自動化して定期的に分析を行うことも可能です。

 

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Web上に公開されている統計データなども簡単に取得して地図上に表示できるようになる

 

従来のBIツールでは、分析結果が数値だけで表示されることも多く、数値を見て人の頭の中で実際の分析が行わなければならない場合も少なくありませんでした。情報活用のツールではなく、単に情報を抽出するためのツールに留まっていたのです。セルフサービスBIでは、多彩なグラフやビジュアル要素でわかりやすく分析できることによって、誰もが分析結果を理解しやすいという特長があります。
ソーシャルゲームの企業では、ユーザーのログイン回数などのデータを元に、リピーターや離脱者の傾向などを分析し、より多くのユーザーが再訪して離脱しないようにするためにセルフサービスBIを役立てています。リアルタイムの情報を素早く分析することによって、キャンペーンやイベントなどの施策のタイミングを図っているのです。これはゲーム業界だけでなく、流通・小売などでも応用できるデータ活用の例だと言ってもよいでしょう。業界に関わらず、現場のエンドユーザーが自らセルフサービスBIで分析を行うことで、さまざまなデータ活用のアイデアが生まれ、次のビジネスを見据えた展開ができるようになるのです。

 

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 セルフサービスBIでは、わかりやすくビジュアル化された分析結果で多角的にビジネスの判断を行えるようになる

次回は、セルフサービスBIの選択のポイントなどについて考えます。

 

もっと情報を活用するためのデータ分析の考え方(2/2)


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