ビッグデータが変える金融機関のリスク評価
金融業を変革する海外FinTechの取り組みとは?

fintech&bigdata

金融業はリスクとの戦いだ。貸し倒れを起こさないか、株価は上がるのか、事故は起きないかといった不確実性を定量的に評価し判断を下す。膨大な情報の中から意思決定を行うのはビッグデータの得意分野であり、データの力で金融業を変革する期待が高まっている。

■なぜ金融業界の多くの職業が10年以内に「消える」のか

今後10年~20年で「消える職業」について論じたオックスフォード大学オズボーン准教授の論文「雇用の未来」をご存じだろうか。コンピュータ技術の進化によって人間から機械へ置き換えられる可能性の高い仕事を特定している。その中でも金融関連の職種が多い点に驚かされる。

  • 銀行の融資担当者
  • 金融機関のクレジットアナリスト
  • 保険の審査担当者
  • クレジットカード申込者の承認・調査を行う担当者
  • 税務申告書代行者
  • 薄記、会計、監査の事務員

上記の他にも、電話オペレーターなど、業界固有ではないものの金融機関に属する職種が「消える職業」として掲載されてしまった。ここまで多くの仕事がコンピュータに置き換えられるのであれば、今後の金融機関の在り方は大きく変わらざるを得ない。

金融業界の仕事がコンピュータに置き換えられる大きな原因の一つにビッグデータ活用の余地が大きい点が指摘されている。もともと金融機関の仕事は多種多様な情報の中からリスクの有無を判断し、融資の可否などを決定する流れになっていた。これは正にビッグデータが得意な分野であると言えよう。ビッグデータは人間が処理しきれない程の膨大なデータの中から新たな法則性の発見や不正の検知などを行い、人間の意思決定を支援する活用法が期待されている。金融機関の業務はビッグデータによって大きく変わっていくのだ。

金融業界を最新技術によって変革する取り組みは「FinTech(フィンテック)」と呼ばれ、注目が集まっている。以前より金融市場での高速取引、アルゴリズム取引など、金融と情報技術の親和性は高かった。それに加えて、近年ではスマートフォンを活用した決済サービスなどが生まれている。B2Cだけではなく、B2BにおいてもFinTechは活発であり、人工知能技術を適用したリスク分析サービスや、ブロックチェーンと呼ばれる資産管理の仕組みによって金融機関でのITコスト削減を図る取り組みが開発されてきた。

FinTechの市場拡大は凄まじい。FinTech企業への投資は2014年に世界中で120億ドルを超え、これは前年の3倍に達している。さらに、2016年から2020年まで年率54.8%で成長すると予測された。世界で最も成長が期待される分野の一つと言って差し支えないだろう。

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