「OpenStackで実現するこれからのビジネスインフラ」セミナー参加レポート その2

openstack1118

2016年11月18日、東京・丸の内で開催されたOpenStackセミナーに参加してきました。参加者数限定で開催された本セミナーの様子を2回に分けてご報告しています。

今日は以下の3つのセッションをレポートします。

「これからのデータ管理」
「OpenStackべからず集」
「企業のDevOps戦略」です。

<これからのデータ管理 〜OpenStackの利点を生かして運用するために〜>

OpenStack上にDBaaS(DataBase as a Service)環境を実装する「Trove」について、解説がなされました。登壇者は、CTC社クラウドイノベーションセンターの広野洋介氏。DBエンジニアとしてキャリアを深め、現職にあってOpenStackの普及に努めています。

セッション冒頭、広野氏から参加者に問いかけがありました。
「MySQLやPostgresSQL等のオープンソースデータベースを使っている方はいますか?」会場の2/3以上の参加者が挙手していました。多くの企業担当者がオープンソースデータベースエンジンをホストしている現状が一目瞭然です。さて、今回挙手した参加者が強く頷いていたのは、広野氏がセッションのまとめとして発言したこの一言です。

「Troveは異なるデータベースエンジンの操作・管理を標準化できる」

様々な事情により、プロジェクトやサービスごとに複数のバージョン・データベースエンジンが混在してしまうことはよくあります。今回のセミナーの出席者の多くも、組織内で同様の事情を抱えているのでしょう。だからこそ、今回、広野氏が紹介していた「Trove」では、コマンドを実行することで、操作対象がどんなデータベースエンジンであっても、例えばデータベースの作成のような管理作業を実行することができる、という内容へ強い関心を寄せているようでした。

OpenStackべからず集 〜OpenStackインフラを構築する上でやってはいけないこと〜

このテーマの登壇者は、CTC社クラウドイノベーションセンターの後藤僚哉氏です。豊富なOpenStackの構築経験を持つ後藤氏が、これまでの経験を元に導き出した、5つの「べからず」が紹介されました。
せっかくですので、本稿でその5つをご紹介したいと思います。

1.OpenStackは仮想化インフラの代わりになるんだよね。
・なりません。
・IaaSの代わりになりますが、単なる仮想化基盤の代わりではない、という認識を持ちましょう。

2.古いバージョンなら大丈夫だよね。
・古いからといって、バグを出し切っているわけではありません。きちんとテストをしましょう。

3.「なんでも動く」OpenStackを作ってほしいんだけど。
・「要件が決められないから」「とりあえず」という状態で導入するのは絶対にダメです。
・多くのプロダクトを持ち、様々な実装が可能なOpenStackですから、きちんとPoCを実施しましょう。

4.コスト削減のためにOpenStackを使いたいんだけど。
・いまのOpenStackが目指すところはビジネスを加速させるための「攻めのIT基盤」になっています。
・コスト削減を目的とした「消極的な投資」ではなく、ビジネスを加速するための「積極的な投資」と捉えてください。

5.(小さい環境なら)手作業で構築できるでしょ。
・どんなにスモールスタートしても、結局は構成変更やドキュメント修正等が入ります。だから、自動化をとにかく進めましょう。(結果として、運用効率が改善し、コスト削減にもつながります)

後藤氏がセッションで語った内容、そして上記に挙げた5つのべからず集は、どれも後藤氏がこれまでに構築案件で経験したことや失敗したことを元にした、とても生々しい内容でした。数多くの構築案件を担当した方ならではのここでしか聞けない貴重なお話であったと思います。

<企業のDevOps戦略 〜OpenStackの事例から学ぶ〜>

続いての登壇者は、CTC社クラウドイノベーションセンターの古川雅弘氏です。
セッション冒頭で、古川氏から「DevOpsという言葉が少々バズワード化している」ということで、古川氏なりの「DevOpsという言葉の解釈」が紹介されていました。とてもわかりやすい解釈でしたので、ここでご紹介します。

■古川氏流、DevOpsとは?
・DevOpsとは、Development(開発)とOperations(運用)
・ビジネスにフォーカスして、ITシステムを効率的に提供するための活動

デモとして、Docker上で環境差異を廃したウェブアプリケーション開発の様子が紹介されました。開発側と運用側が旧来型の働き方をしている場合に、どうしても起きてしまう環境差異を防ぐため、Dockerを使いインフラもコード化することで、「そもそも問題が発生しないようにしてしまう」という解決策を、実際に動く環境を見せながら解説されました。
さらに事例紹介として、米国Solinea社とのパートナーシップに基いて提供しているサービスを活用した、国内での事例として「メディア」「クレジットカード会社」の2つの事例を挙げていました。
※Solinea社との連携事例については、これまでにビジネス on ITのOpenStackの記事でも度々取り上げてきましたので、ご存知の方も多くいらっしゃるかと思います。

<まとめ>

2回に渡ってセミナー参加レポートをしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回登壇した4名は、OpenStackに注力しているCTC社クラウドイノベーションセンター所属の、経験豊富なエンジニアばかりです。OpenStackについてもっと知りたい、専門家に相談してみたい、という方は下記へお問い合わせください。


伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウド・セキュリティ事業推進本部
担当:加藤
openstack-cic@ctc-g.co.jp
03-6417-8667

著者プロフィール
氏名:新村 繁行
株式会社カグラ 代表取締役
2003年よりインフラSE・PMOスタッフとして数多くの大規模基幹システムのインフラ設計・構築・運用プロジェクトに従事。
2014年より現職、フロントエンドエンジニアチームのマネジメントと、海外シェアハウスでITx英語xビジネスを教える人材育成プロジェクト「アクトハウス」を企画・運営する傍ら、テック系ライターとして活動中。
世界各国から楽曲をリリースする音楽プロデューサー/DJとしての顔も持つ。
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