活用の幅が大きく広がる機械学習によるデータ分析(第2回)
~古いデータからでも新しい知見は得られる~

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第1回目では機械学習を活用したデータ分析の基礎情報を理解いただくため、「機械学習とデータマイニングの違い」や「顧客の購買や反応を予測する際に利用される予測分析モデル」について解説いたしました。第2回目では具体的な分析ツールを紹介いたします。

 

記事のハイライト
● 機械学習を活用した予測分析ツールの最新機能情報
● 機械学習を活用した予測分析ツールのロードマップ

※本記事は以下の方より寄稿いただきました。
著者:
SAPジャパン株式会社
プラットフォーム事業本部 シニアソリューションプリンシパル 瀬尾 直仁 氏

● 部署内にデータサイエンティストはいますか?

みなさんがよく耳にする“データサイエンティスト”という職種。確かに分析担当者が社内にいれば、さまざまな業務のデータ活用が必要な場面で力強いサポートをしてくれると思います。しかし、現実解として部署内に専任の分析担当者はいますか?複雑な数式、複雑なアルゴリズムが実際の業務の中で求められているのではなく、ビジネスの現場に即した数字の“見方”ができるのが重要ではないでしょうか。予測分析を身近なものにするには、「統計学の知識がないビジネスユーザでも」「簡単に」「早く」利用できる必要があります。

● 先進的な機械学習ツールの新機能

1.機械学習の運用管理機能の強化

予測分析モデルは1度作成して終わりではありません。ビジネスデータの増加に対して、予測分析モデルの精度を維持することは重要です。SAP® BusinessObjects™ Predictive Analytics(以下、SAP Predictive Analytics)では、モデル精度を継続的に監視したり、スケジュールによるモデルの再学習・適用(スコアリング)作業の自動化を実現するPredictive Factoryを提供します。

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定期スケジューリングはもちろん、イベントやプログラムをトリガーとしたスケジューリングにも対応します。SAP® Predictive Analyticsでは、Predictive Factory上で新規モデル作成機能(分類・回帰、時系列)が追加されました。

加えて、今までクライアント側で実行していたモデル作成処理を、Web上でより簡易的に実行することが出来るようになりました。また、運用管理機能も強化されてきており、モデル評価やシミュレーション用のレポート画面が大幅に拡張されています。

図1: Predictive Factoryによる新規モデル作成(左図)、
モデル作成後の評価レポート(右図)

今後リリース予定のバージョンでは、さらにPredictive Factoryに機能集約され、よりシンプルで、より使いやすいプラットフォーム環境を目指します。一部コンポーネント名称も変更されます。

 図2: SAP® Predictive Analytics プラットフォーム拡張イメージ

2.SAP HANA 連携の強化

SAP® Predictive Analyticsのデータ加工機能において、HANA information View がサポートされました。 HANA information Viewを活用出来ることにより、柔軟性が高いデータ加工を実現します。

また、SAP HANA 2.0 / SAP HANA 2.0 Expressのサポートデータソース追加や、HANA Multitenant Database Containersのサポートなどが挙げられます。

*SAP HANA連携時のパフォーマンスも前バージョンから向上しています。

3.BigData対応の強化

SAP® Predictive Analyticsでは、SparkやSAP Vora1.4に対応し、モデリングの高速化を実現します。

予測分析領域におけるデータは日々増加の傾向にあります。今後、いかにインメモリエンジンを活用しモデリング処理の高速化を実現するかが重要になってくるでしょう。

SAPは、SAP HANAを中心にインメモリ分析プラットフォームを今後も強化していきます。下図は、インメモリ上でモデル作成した場合のベンチマーク結果です。

データが少ない時は差があまり出ませんが、15,000列 x 500,000行の大量データでモデルを作成した場合、インメモリ上でもモデリングでは通常より10倍以上のパフォーマンスを発揮することが確認できました(以下はNative Spark Modelingを利用した場合のベンチマーク結果)。

図3: Native Spark Modelingにおけるベンチマーク

● 製品ロードマップ

SAP® Predictive Analyticsの製品ロードマップ(トピック)になります。
ユーザーインターフェースの統合や分析機能の拡張、BigData対応、またSAPアプリケーションとの連携(SAP S/4HANA、SAP Hybris、その他)、Python対応等、継続的な機能拡張が予定されています。

図4:SAP Predictive Analytics 製品ロードマップ

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● 最後に

今回は、SAPの機械学習を用いた予測分析ツールであるSAP® Predictive Analyticsの新機能を中心にご紹介しました。SAP® Predictive Analytics 単体でのご利用はもちろん、SAP S/4HANA含むSAPアプリケーション、SAP Analytics Cloud、SAP Cloud Platformとの連携も強化していきます。

人事、会計、生産、その他領域等においても機械学習の考えが組込まれ、より高度な分析が出来るようになります。分析処理の簡易化・自動化により、今後はデータサイエンティストの方だけでなく、業務ユーザーが中心となるデータ分析・活用もますます増えていくことでしょう。

また、新たなデジタルイノベーションシステムの仕組みとして「SAP Leonardo」を発表しました。この中には、機械学習、IoT、ビックデータ、アナリティクス、ブロックチェーン等の様々なソフトウェア機能を統合します。SAPアプリケーションへの連携はもちろん、深層学習を利用した動画や画像分析の仕組みなど、今後も革新的な機能を提供していきます。

● お問合せ

 SAP® Predictive Analytics 製品の検討や導入に関するご相談や詳細説明をご希望する方は、以下よりお気軽にご相談ください。
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編集:ビジネスonIT
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