いのたま|世界各地で見つけたイノベーションをもたらす「たまご」

いのたま|世界各地で見つけたイノベーションをもたらす「たまご」

 予測が困難で不確実な時代、企業が存続するためには、トレンドに流されることなく自社の課題解決に適した「イノベーション」を創造することが重要です。

 イノベーションを創造・成功できるか否かは、企業にとって重要な経営課題といえます。

 従来よりイノベーションは「技術革新」と解釈されてきましたが、本質的には技術領域に限定できません。

 では、企業が求める「イノベーション」とは何でしょうか。

 それは「これまでにない画期的な製品やサービス、ビジネスドメインや企業価値を拡大すること」に他なりません。

 そこで、ビジネスの継続的に成長、競争力の強化を模索するためのヒントを探求されている方に向け、ニューノーマルをもたらす新たなイノベーションを紹介します。




▼ 目次
イノベーションとは
イノベーションの成功が経営課題である理由
世界各地で見つけたイノベーション




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1. イノベーションとは

 イノベーションとは、ビジネスモデル、組織、モノや仕組み、サービスなどに新たな考えや技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会に影響を与える革新や刷新、変革をもたらす行為を指します。

 ビジネスシーンにおいて欠かせないこの概念は、ヨーゼフ・シュンペーター、クレイトン・クリステンセン、ヘンリー・チェスブロウの3人の提唱者による理論から発生しました。

  • ヨーゼフ・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter : オーストリアの経済学者)
    • シュンペーターが1912年に著した「経済発展の理論(Theorie der Wirtschaftlichen Entwicklung)」において、経済発展の重要要素は「イノベーション」「企業」「銀行」であるとし、企業が銀行から資金や信用を得て生産手段を獲得し、企業者は生産を拡大するために、生産方法や組織といった生産要素の組合せを組み替えたり、新たな生産要素の導入といったイノベーションを遂行することが経済発展を促すと提唱した
    • イノベーションを下記の5つに分類
      • プロダクト・イノベーション(新しい生産物の創出)
        • 従来とはまったく違う、革新的な新商品(新製品・新サービス)を開発する
      • プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)
        • 企業の商品(製品やサービス)を大きく変化させるのではなく、生産工程や流通方法を改善する
      • マーケット・イノベーション(新しい販売先・消費者の開拓)
        • 新たな市場に参入し、新たな顧客、ニーズを開拓する
      • サプライチェーン・イノベーション(新しい供給源の獲得)
        • 商品をつくるための材料や、その原材料の供給ルートを新規開拓・確保する
      • オーガニゼーション・イノベーション(新しい組織の実現)
        • 組織変革によって業界や企業に大きな影響を与える

  • クレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen : アメリカ合衆国の実業家、経営学者)
    • クリステンセンが1997年に提唱した「イノベーションのジレンマ (The Innovator's Dilemma)」において、イノベーションは「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の2つに分類した。企業はステークホルダーに利益還元する義務を負う中で、経済合理性の高い「持続的イノベーション」を選択する傾向にあるが、「持続的イノベーション」を続けていると、ある時点で製品やサービスが顧客のニーズを超えてオーバースペックとなる。これを転機として、新興企業による「破壊的イノベーション」が巻き起こされ、それが市場に受け入れられる事によって大企業の提供価値が毀損してしまう状況となると記した
    • 持続的イノベーション
      • 顧客の意見や要望を取り入れながら進めるイノベーション
    • 破壊的イノベーション
      • 既存の概念にとらわれず、新たな発想を積極的に取り入れることで、新製品や新サービスを生み出していくイノベーション

  • ヘンリー・チェスブロウ(Henry Chesbrough : アメリカの組織理論家)
    • クローズドイノベーション
      • 研究から製品開発までを自社の経営資源のみで行う「自前主義」が主流だった時代に流行したイノベーション
    • オープンイノベーション
      • 企業内部のアイデアと外部のアイデア、資源、技術を結合させ創造するイノベーション



 昨今では、企業が収益の拡大を目的に IT(情報技術)・デジタル技術を駆使しながら、社内外の多種多様なデータを収集・蓄積・分析し、下記を継続的に実行しながら、ビジネスにおける競争の優位性を確立するためデジタルイノベーション(デジタルトランスフォーメーション : DX)に注力する企業が増加しています。

 デジタルイノベーション(デジタルトランスフォーメーション : DX)についての解説は、以下よりご欄いただけます。


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 イノベーションの言葉の意味や定義を抑えたところで、なぜイノベーションが企業にとっての重要な経営課題なのかについて整理しましょう。





2. イノベーションの成功が経営課題である理由

 なぜ、イノベーションの成功が重要な経営課題と言われているでしょうか。

 主な理由は以下になります。



2-1. 企業成長

 イノベーションに成功した企業は新たな市場を切り開き、大きな収益を得て成長する傾向があります。

 このため、企業が継続的に成長し存続を果たしていくためには、新たな価値を生み出すイノベーションが重要であることは自明です。


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2-2. 課題解決と生産性の向上

 深刻な人口の減少問題、少子高齢化を抱える国内において「人手不足」は企業にとっても深刻な課題と言えます。

 人手不足は、長時間労働や健康経営の阻害など、社員と企業のどちらにおいてもネガティブな結果を招く恐れがあり、こうした課題を生産技術の新たなイノベーションによって、こうした課題を解決しつつ生産性の向上を狙う企業は多いと言えます。

 例えば、人手不足により業務過多となった現場において、複数の業務を並行してこなす、いわゆる「マルチタスク」を日常的に行っている人も少なくありません。

 マルチタスクによる生産性低下は40%に及ぶとも言われており、作業ミスが50%増加、IQの低下や判断力の低下、学習能力の低下といった弊害が生じるという指摘もあります。


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2-3. 差別化による優位性獲得、市場独占

 イノベーションによって生まれた、これまでにない新しい製品やサービスは、新しい価値創出、市場開拓を可能にします。

 さらにイノベーションの創造に成功すると、競合他社がまだ参入していない市場を一時期であっても独占できる可能性があり、資本力の小さい中小企業が大企業に対抗しうる機会を生みだせます。

 既存の市場では競争できなかった小規模な企業においても、イノベーションの成功は魅力的な取り組みと言えます。

 特許に例を挙げれば、自然法則を利用した技術的思想の創作・発明の特許権を得ることで、企業は優位性を獲得できるとともに、新規顧客の獲得や市場に新たな価値を提供できます。




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3. 世界各地で見つけたイノベーション

 ビジネス on IT事務局が世界各地で見つけたイノベーションを紹介します。

 イノベーションを検討するうえでの参考材料としてご覧ください。





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