CNCF、全てを統べる一つのファンデーション
Open Source Summit Tokyo 報告

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原文(英語)はこちら

「Open Source Summit」が2017年5月31日~6月2日、東京で初めて開催されました[1]
今回のイベントはLinux Foundation主催で、LinuxConとContainerCon、さらにCloudOpenの3つのイベントが一緒になったものです。世界中から600名近く本イベントに参加しました。これらの技術間の関係性はさておき、これらのイベントを結びつけたつながりはCloud Native Computing Foundation(CNCF)にあります。

2014年のことですが、GoogleはKubernetesの最初のバージョンをリリースしました。その当時、コードはGoogleの技術者がすべてコミットしていたのです。
GoogleはすぐにKubernetesの可能性を実現するためにより多い開発者とコミットする人が必要だと気付きました。そのために、Linux Foundationと会話を始め、共同プロジェクトの開始を提案しました。GoogleとLinux Foundationが決定したことは、Kubernetesだけを発展するのではなく、クラウドエコシステムの発展に貢献する他のプロジェクトも含まれていたことです。これがCNCFのもととなっており、現在ではコンテナ、監視、ログ、ネットワークに関連する10の異なるプロジェクトを支えています。

Kubernetesに関するプロジェクトで、Googleはもっとも活躍しているコミュニティメンバーであり、プロジェクト内に共有したコードは全体で42%を占めるほどです。
そういった観点ではコミュニティの大半が多くプロジェクトとかかわっているため、一つに統合されたサミットで議論されるということはとても意味があります。

Linuxカーネルのようなものでさえも、クラウドに大きな影響を与えます。レイテンシの70%は、通常、カーネルのネットワークスタックで消費されることが明らかになりました[2]

クラウドの基盤としてのOpenStackは、その首位を保ちマーケットプレースに存在感がありましたが、セッションでは扱われていませんでした。
Kubernetesはコミュニティの統一において重要な役割を果たしてきました。しかし、この業界で唯一のコンテナオーケストレーションエンジン(COE)になりえなかったと言えます。

Mesosphere社からは、いくつかのセッションでアーキテクチャとアプローチ方法について説明がありました[3]。 Mesosphere社の顧客には、TwitterやeBay、AirBnBも含まれています。

一方、マイクロソフトでは、開発しているコンテナソリューション(ACS)[4]のCOEとしてKubernetesを自動的にインストールしています。
マイクロソフトはオープンソースコミュニティ内で長い道のりを歩んできましたが、現在はGithubの世界最大のオープンソースコミッターなのです[5]

fluentdにおいては1日限定で「fluentd ミニサミット」を開催しており、強い存在感がありました。
もともとfluentdは日本人によってTreasure Dataを創設、現在はCNCFに寄付されており、CNCFのエコシステムの標準的なログ収集ツールになっています。

Treasure Dataは、今日、Fluentbitと呼ばれるライトなマイクロサービスベースのバージョンを開発しています。Fluentdの1インスタンスあたり数100MBのメモリかかりますが、fluentbitなら数100KBのメモリだけで足ります。データを収集するためにfluentdのマスターがプロビジョニングされます[6]

今回のサミットは、複数のトピックについて面白いセッションがありました:コンテナ(OCI)を標準化するための新しいイニシアチブ、Apache Thriftデータセンター機器の間の通信の効率性(RESTやgRPCの代わりに)、NFV開発のOPNFVの役割・・などなど。

この新しく作られたオープンソースサミットの存在は、わたしたちがクラウドの世界に住んでいると認識させてくれます。
また、コミュニティに関わり、テクノロジーの動向を最新のものにしていく良い機会です。

私、個人的には、ここからどのように進化を遂げていくのか、楽しみで仕方がありません。
日本語訳:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 加藤 美穂

著者プロフィール
氏名:Ruiz-Delgado Álvaro(ルイズ・デルガド アルバロ)
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
研究員としてLTE標準化のための3GPP代表を務め、特にMIMO通信の分野で
数多くの特許を保有している。
2016年より伊藤忠テクノソリューションズで最新技術を駆使した
顧客支援を実施。OpenStackやCI/CDにかかわるコンサルティングを得意とする。
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