CTCとソリニアの協業が日本の新たなOpenStack市場を切り開く(後編)

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OpenStack活用を成功に導くカギは人材の育成、目的の明確化、そして顧客の理解

フランチェスコ:率直なところ、日本市場は北米市場に比べて、2年~2年半ほど遅れているように感じます。新しいテクノロジーへの取り組みと理解、そこで生じるリスクの受け止め方、人材のスキルレベルのばらつきなどいろいろな要素がありますが、これは日本に限らずアジア圏全体にも当てはまることで、地域の文化的な背景も影響しているのでしょう。

OpenStackは、ある特定の製品を指すものではなく、コンピュート、ストレージ、ネットワークなどさまざまな要素が集まったものです。それぞれについて正しい理解とスキルが求められますから、トレーニングによる人材のスキルレベルの向上はもちろん、OpenStackという大きな枠組みに含まれる多様なコンポーネントをもっと簡単に使えるように、ベンダーが積極的に取り組むことも必要です。市場(顧客)に対して、OpenStackを活用することの意義やメリットをきちんと訴求していくことも重要と言えます。

小岩井:実際にビジネスをしていて感じるのは、やはり日本市場では技術的な面から物事を進めようとする傾向が強いということでしょうか。
OpenStackはいろいろな機能が実装されていて、それぞれがAPIを備えたモジュラー型の構成になっており、あれもこれも足していくというよりも「シンプルに考える」という方向性がベースにあります。ですから、本来はまず「何をしたいのか?」をはっきりさせて、必要な機能を選ぶことから始める事が重要ですが、日本のお客様はここがぼんやりしていることが多い印象があります。そのため、例えばVMwareのような製品と比べて、あれができる、これができない、OSSだからコストカットできるはず、みたいな話になり、結果として求めていた成果を十分に達成できないことがあったりするわけです。このあたりの話がかみ合わないと、適切な提案や導入は難しいでしょう。

IoTやビッグデータ、モバイルなど、いわゆるデジタルビジネスの領域では、次々と新しいサービスをデリバリーする事、そして改善していくことが求められています。自社のビジネスに照らしたとき、どのようなインフラ、アーキテクチャが必要なのかを、当事者である企業はきちんと考える必要があります。そして、そこでOpenStackが最適だとなれば、設計や導入を進めていくことになります。

OpenStackはとても価値のある技術ですから、我々としてもきちんとご提供していきたいと思っています。様々な先端技術に対する見聞を広め、中身を理解し、インテグレーションしてお客様にご提供することの大切さを、改めて感じます。

さまざまな事例の裏には数々の失敗があり、それを実際に経験していくことも大切なポイント

小岩井:OpenStackによるクラウド基盤の事例はいろいろと出てきていますが、実際にサービスインに到達するまでにはさまざまな過程があるわけです。事前のアセスメントがあり、途中ではたくさんの失敗があって、それらを乗り越えながら適切な構築が行われているということです。これはインテグレーターだけでなく、システムを運用するお客様にも一緒に経験してもらうことが重要で、OpenStackひいてはOSSを使う際には取り組み方や方法論(スキル)が変わり、人やプロセス(カルチャー)にも変化が求められる部分があることをわかってほしいと思っています。

こうした経験をエンジニアとしてどれだけ多く積んでいるかはとても大きなことで、ソリニアはまさにその経験が非常に豊富なパートナーです。常に先を行き、新たな技術や市場への取り組みを続ける中で培われてきた彼らのスキルを日本のお客様にご提供できるのは、とても大きな強みであり、メリットであると思います。両社の協業によって生み出される優れたソリューションを、すでにご提供できる状態であることをもっとアピールして、次の時代に向けたお客様の新しいクラウド基盤を作っていきたいと考えています。

お客様のビジネス課題の解決を両社の強固なパートナーシップで支援

フランチェスコ:日本市場では、DevOpsやコンテナ技術の浸透には少し時間がかかると思いますが、これから必要とされるものであることは間違いありません。私たちが持つ知識や経験をトレーニングや教育サービスとしてご提供して、新しい技術への理解を深めていただき、もっと使いこなしてもらえるようにしていきたいと思っています。
OpenStackを活用することで、ビジネスのスピード向上や効率化、コスト削減などお客様が抱えるビジネス課題を解決することができます。さまざまな利点や魅力がありますし、とても簡単だということを、日本のお客様にもっと伝えていきたいと考えてます。

小岩井:「お客様のビジネスに直結するサービスを支える基盤を作る事で、IT部門の価値をもっと高めて行きましょう」というメッセージを訴えていきたいと思っています。今はまだ、クラウド基盤の構築や利用ではOpenStackでもAmazon Web Service(AWS)でもどれでもいいというケースは多いですが、北米ではAWSからOpenStackへ移行した事例や、ハイブリッドで利用する事例が増え始めており、日本でも同じような流れは生まれてくるでしょう。

自社のビジネスに直結するサービスを自分たちで設計し、インテグレーションして、運用しながら改善を進め、よりよいサービスをデリバリーできる環境を整えていくことは不可欠になってきています。そこでは、アプリケーションやサービスを作る人と、インフラを作る人が協力して取り組むことも必要です。

そうした取り組みを進めるお客様に、ソリニアとCTCは強固なパートナーシップを活かして貢献していきます。
ぜひ、ご期待ください。

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