AWS移行のポイントとは?|クラウドに移行するための7つのステップ

 現在「クラウドシフト」が本格化してきており、その移行先のクラウドサービスとして挙げられる1つにアマゾン ウェブ サービス(AWS)があります。

 そこで、AWSへのクラウドシフトを成功に導くためのステップやパートナーの選び方、クラウドファースト企業へと変わるためのポイントについて解説します。

▼ 目次
1. クラウドへ移行する際の手順とは?
2. クラウド移行に不可欠な「パートナー」とは?
3. 最適なパートナー選びを支援する、AWSの認定プログラム
4. クラウドファースト企業へと変わるための7つの鍵とは





1. クラウドへ移行する際の手順とは?

 AWS を活用する企業は、既に国内で10万、海外では数百万を超えています。オンプレミスからクラウドへ移行する際、企業はどのような手順を踏めばクラウドへのシフトを成功させることができるのでしょうか?

 それらの理解に役立つのが「クラウドジャーニー」という考え方です。クラウドジャーニーは、その名の通りオンプレミスからクラウド移行における「ジャーニー(旅路)」を表していて、大きく4つの旅程(フェーズ)から成り立っています。

    • 個別プロジェクトから始める
    • ハイブリッド化
    • 大規模移行
    • クラウド最適化



1-1. 個別プロジェクトから始める

 企業で初めてAWSを使うのであれば、クラウドジャーニーの最初のフェーズ「個別プロジェクト」から始めるのが成功の秘訣と言えるでしょう。いきなり大きなプロジェクトから始めてしまうと、もしも途中で問題が生じたときには障壁もまた大きくなってしまうおそれがあります。そこでまずは、個別の小さなプロジェクトからクラウドを試行的に使い始めてみて、AWSとはどのようなものかを実感し理解することが重要です。


1-2. ハイブリッド化

 個別プロジェクトの成果が見えてきたら、今度は2つ目の「ハイブリッド化」のフェーズへと歩を進めます。ここではオンプレミスのシステムとAWS上のシステムを専用線でつなぐなどによって連携させながら、AWSの利用を加速していきます。

 この個別プロジェクトとハイブリッド化のフェーズでは、POC(実証実験)などによるスモールスタートのアプローチがポイントとなります。


1-3. 大規模移行

 ハイブリッド化がうまくいったらいよいよ3番目の「大規模移行」のフェーズになります。このフェーズでは、既存の基幹系システムやデータベースなど、大規模なシステムやミッションクリティカルなシステムも含めた業務システムなどをAWSに移行していきます。


1-4. クラウド最適化

 そして大規模移行が完了する頃には、最後のフェーズ「クラウド最適化」を実現する地盤が整っていることでしょう。このように「着実にクラウド化を拡大・加速させながらクラウド最適化へと至るのが、理想的なクラウドジャーニー」だと言えます。


 現在は、すべての新規システムをまずはAWSで考えてみて、それでもダメならオンプレミスで考える──といったクラウド最適化のフェーズへと足を踏み入れている企業も出てきています。




2. クラウド移行に不可欠な「パートナー」とは?

 クラウドジャーニーを成功に導くためにとても大切になるのが、クラウドジャーニーの旅路をともに歩むパートナー(ナビゲーター)を見つけることです。もちろん、自社で全て対応ができればいいのですが、そうした企業は限られています。そこで、信頼できるパートナーを選び、パートナーを活用しながら、クラウドジャーニーの速度を加速させることがポイントとなります。

 とくにパートナーの力が必要になるのが、大規模移行のフェーズに入ったときです。ここでぶつかりがちな障壁として第一に挙げられるのがデータベースの移行があります。


 そこでAWSの知識やAWS利用企業の情報が集まっている最適なパートナーを選定できていれば、次に説明するようなAWSのデータベースサービスなどをフルに活用できる段階へとスムーズに進むことが可能でしょう。


 例えば、AWSは各種データベースシステムからの移行が可能であり、例えばオンプレミスのOracleデータベースからAWS上のOracleデータベースへと移行することもできます。また、「Amazon Aurora PostgreSQL」も東京リージョンで使えるため、OracleからMYSQLに移すよりもPostgreSQLに移すほうがデータベースの構造が似ているためスムーズということもあり、オンプレミスのOracleからAmazon Aurora PostgreSQLへと移行も増えています。実際、国内でも様々な企業のデータベース移行事例があり、Oracle RAC(オンプレミス)や ExdataからAmazon Aurora PostgreSQLへと移行するケースが特に目立っています。


 また、データウェアハウス(DWH)については、TeradataやNetezza、Exdataなどからの移行先としてAWSのクラウド型DWHサービス「Amazon Redshift」が用意されています。


 上記の事例として、テレビ/ラジオの視聴率調査を担う株式会社ビデオリサーチでは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)をパートナーに選び、大量の調査データを分析するための基盤としてAmazon Redshiftを採用しました。



 同社はこれまで利用してきたデータウェアハウスアプライアンス(Ntetezza)からAmazon Redshiftへ移行したことで、分析性能を維持しながら、運用コストの大幅な低減、柔軟なリソース拡縮によるコストコントロールなどを実現しています。同社では、Amazon Redshiftへの移行の効果として以下の3つを挙げています。

  • 向こう5年のデータウェアハウス基盤の運用コストを50%圧縮することができた 

  • クラウドサービスであるAmazon Redshiftの採用で運用管理業務が大幅に効率化できた

  • CTCの技術支援によりAmazon Redshiftへのスムーズな移行が実現できた



 もちろん、大規模移行に至る前の、移行の初期である「個別プロジェクトから始める」段階で、AWSに携わる自社の担当者への教育プランや、AWSの利用を推進するためのガイドラインの策定を支援するサービスを提供しているパートナーを見つけ活用することも有効です。





3. 最適なパートナー選びを支援する、AWSの認定プログラム

 では、自社にふさわしい信頼できるパートナーをどのように見つければいいのでしょうか。選定に当たって抑えるべきポイントの1つは、自社のやりたいことに対してそれを可能にするソリューションをしっかりと提供しているかどうかです。


 例えばCTCではオンプレミスの頃から一貫してオラクル社の各種ソリューションを扱ってきていますので、非常に高度な技術やノウハウを有するエンジニア等が数多く存在しています。また、オンプレミスで稼働しているOracleデータベースをAWSに移行可能かどうかをアセスメントしたり、さらには実際にAWS上で可用性の高い構成をつくったりといった展開を行っています。Oracleからの移行を考えているのであれば、こうしたサービスを活用できるパートナーを選ぶことがカギだと言えます。


 またAWSでは「パートナーコンピテンシー」というプログラムを実施しています。これは、習熟した技術を持ち、専門的なソリューションエリアで顧客企業を成功に導いた実績のあるパートナーに付与されます。業界別、ソリューション別、ワークロード別にコンピテンシー(*高い業績や成果につながる行動特性と訳されます)があり、それによって例えば、大規模や複雑な移行プロジェクトで豊富な実績のある企業をAWSが認定する「移行コンピテンシー」や、Oracleベースの移行プロジェクトでの支援実績を証明する「Oracleコンピテンシー」などがあります。パートナーコンピテンシーはAWSが認定しているので、パートナーを選ぶ際には大いに参考になります。

 もう1つ有効な指標となるのが同じくAWSが実施している「サービスデリバリープログラム(SDP)」です。これは、特定のAWSのサービスについて豊富な経験と深い理解があるパートナーを認定するプログラムです。認定に際しては、該当するサービスの1年以内の事例2つと使用実績を基に審査が行われます。例えば、Amazon Redshiftへの移行プロジェクトで多くの実績があり高度な知見をもったパートナーを探しているのであれば、Amazon RedshiftのSDP認定パートナーから見つけるといいでしょう。CTCもAmazon RedshiftのSDPを取得しており、先に紹介したビデオリサーチ様の事例を含めて多くの支援実績があります。それも、Amazon Redshiftに精通したDWH等のエンジニアが数多く存在しているからこそと言えるでしょう。




4. クラウドファースト企業へと変わるための7つの鍵とは

 最後に「クラウドファースト」へのシフトを成功に導くための7つの鍵を紹介します。これは、ビジネス全体をクラウドへ安全に移行するための主要ステージとなるものです。

    1. 経営幹部の賛同を得ること
    2. クラウドを検証するITスタッフにいつまでとどこまでをやるべきかなど、しっかり役割と責任を設定しておくこと
    3. 小さくてもいいので早めに実績をつくること
    4. 豊富な実績を持ったパートナーと上手に連携してスムーズにプロジェクトを進め速やかに成果を出すこと
    5. クラウドを上手に活用してビジネスを推進していくチームを設置すること
    6. クラウドとオンプレミスの両方を使いながらハイブリッドアーキテクチャを構築すること
    7. 「なぜクラウドなのか」から「なぜクラウドではないのか」と意識変革を図ること



 このうち7つ目のステージまで来れば、クラウドジャーニーの最終フェーズ「クラウド最適化」に踏み込んだと言えるでしょう。



まとめ

 本記事では、クラウド移行を成功に導くための手順やパートナーの選び方、クラウドを活用する企業へ変革するうえでのポイントについて解説しました。

 クラウドへの移行は、もはや止められない流れであり、クラウドジャーニーのフェーズを1つ1つ着実に進めながらクラウドシフトを成功に導くことが求められます。そのためにも、AWSの認定プログラムなどを参考にしながら信頼できる実績豊富なパートナーを選定し、そのパートナーともに「クラウドファースト」な組織へと変革を図っていくことがポイントです。


 もはやクラウドの活用は時代の必然とも言え、いかに早く着手するかが将来の競争力を決定すると言っても過言ではありません。まずは、弊社も含め、AWS Partner Network(APN)企業への相談を検討してみてはいかがでしょうか。


 CTCは、これからAWSを利用したい、既存のシステムをAWSに移行したい、既にAWSを利用しているがより拡大をするために、コンサルティングパートナーにサポートを依頼したい、PoCを実施したい、サービス数が多く、日々機能の追加や改善があるAWSの最新情報を提供してほしいなど、企業それぞれの目的や事情に応じたご相談にお応えします。



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