提案依頼前に知っておきたいクラウド ベンダーの見分け方

 情報システム部門のIT基盤の担当者がIT基盤の導入・更改を検討する際に知っておきたいITベンダーの特徴を、4グループ・4指標に分けて比較します。

▼ ハイライト
1. 重要度がさらに増すIT基盤と、情報システム部門が抱える悩み
2. 数多くあるITベンダー、どう選ぶ?

1. 重要度がさらに増すIT基盤と、情報システム部門が抱える悩み

 「顧客へのサービス提供の基盤として」「経営の効率化を担うシステムの基盤として」など、目的は違えど、 IT基盤は日夜稼働しています。企業や組織において、IT基盤が担う役割はますます大きくなっています。そして、多くの企業・組織では、IT基盤を「情報システム部門(名称はさまざま)」が担っており、部門が持つ役割や責任も日を追うごとに高まっています。

 インターネットが普及し、シェアード(共有)型サービスが一般社会に定着した現代において、IT 基盤のあり方は多様化しました。多様化ゆえに複雑さも増しています。その一方、経営視点で見ると多くの場合、IT基盤や情報システム部門はコスト要素であると見られ、出来る限りのコストカットを要求されている代物です。特に、ITを専業としない企業・組織の情報システム部門の皆様は、堅牢で柔軟で安価なIT基盤を求め、例えば「IT基盤を選択する」ということ一つをとっても悩みや課題が尽きないのが実情と言えるでしょう。

 さて、当サイト「ビジネスonIT」では、「IT基盤」というキーワードをグローバルナビゲーションメニューとして用意しています。さらにサブメニュー(カテゴリ)として、3つのテーマをピックアップしています。クラウドサービスという言葉が世に出回る少し前に、トレンドのように扱われた IaaS(Infrastructure as a Service)を冠した「基幹システム特化型IaaS」、最新のクラウド基盤ソフトウェアプロダクト群である「OpenStack」、パブリッククラウドサービスの雄たる「AWS(AmazonWebServices)」という、それぞれ強みも特徴も異なる3つのタイプのIT基盤を取り上げています。法人向けIT情報サイトである当サイトが、これらをテーマ(ワード)として記事を分類・ 掲載しているのは、それだけ読者の皆様がIT基盤に対して強い関心を寄せているから、と言えるでしょう。

 上記でご紹介した3つのIT基盤、基幹システム特化型IaaS・OpenStack・AWSですが、皆様が自組織向けにIT基盤の導入(もしくは更新)を検討しているのであれば、鉄板のオンプレミス(自前構築)と共に必ず選択肢の一つとして上がってくるものだと思います。では、選択肢として存在することは理解しても、皆さんはご自身でどのIT基盤を採用するか検討する際に、どうやって情報を集め、経営層に具申し、意思決定へと導いていくでしょうか。ほとんどの場合、自分自身や自組織内のメンバーだけですべてをやりきるのは難しく、「ITベンダーに依頼する」という手段を選択することになるのではないでしょうか。

2. 数多くあるITベンダー、どう選ぶ?

 一口にITベンダーと言っても、特徴も得意分野もさまざまです。
 ざっくりとしたまとめにはなりますが、それぞれの特徴を表にまとめてみました。

表 1. IT ベンダーの特徴比較

クラウド ベンダーの見分け方

 IaaSそれぞれのITベンダーの特徴について補足をしていきましょう。

2-1. クラウド専業

  • 通信回線品質「◯」
    • クラウドサービスとして大容量回線を引いていることが多い。サービスメニューや契約次第だが、高速回線を利用できる可能性が高い。
  • ベンダーロックイン「△」
    • 原則として自サービスでの対応となるため、ベンダーロックイン状態と変わらない。
  • 対応柔軟性「△」
    • プライベートクラウドには対応できない。自サービス提供外の領域には対応しないケースが多く、1社だけに任せることができない。
  • コストメリット「◯」
    • 用意されているサービスメニューとユーザー側の要件が合致していればコストメリットが出やすい。

2-2. メーカー系

  • 通信回線品質「△」
    • ネットワーク関連が比較的手薄なケースが多い。
  • ベンダーロックイン「△」
    • 自社製品で統一されているため、ベンダーロックインは発生する(ただし、そのため障害時の復旧対応が迅速であることが多い)。
  • 対応柔軟性「〇」
    • プライベートクラウドの構築も可能。システム全体のマイグレーションに強みを持つことが多い。ただし、自社製品以外の製品ノウハウが比較的手薄になりがち。
  • コストメリット「◯」
    • ボリュームディスカウントやOS・ソフトウェアバンドル等によるコストメリットが出る場合がある。

2-3. 通信キャリア系

  • 通信回線品質「〇」
    • データセンターやホスティング等の運用経験が豊富。専用線などの要件がある 場合は安価に利用が可能。
  • ベンダーロックイン「〇」
    • 通信回線以外のプロダクトは外部調達となるため、ベンダーフリーといえる。
  • 対応柔軟性「△」
    • サービス提供外の領域には対応しないケースが多い。アプリケーションを考慮したIT基盤構成の策定や移行支援といっ たことに対応できないことが多い。
  • コストメリット「△」
    • 通信回線費を値下げることで回線利用料のコストメリットは出しやすいが、それ以外は外部調達となるため、トータルでのコストメリットは出しにくい。

2-4. 独立系

  • 通信回線品質「△」
    • 通信回線は個別調達が必要。
  • ベンダーロックイン「〇」
    • 特定の製品への偏りがない。
  • 対応柔軟性「〇」
    • オンプレミスなど、クラウド適応外の領域にも対応可能であり、システム全体を総合的に支援。多様な製品を活用し、ハイブリット環境を提供することも可能。
  • コストメリット「△」
    • 他のITベンダー系の持つ専業領域にはコストメリットで劣る。

最後に

 IT基盤の新規構築や更改を検討する際に、ITベンダーは企業・組織の情報システム部門のパートナーとして活動を行うことになります。正しいITベンダーの選択はプロジェクトの成功に大きく影響すると言えるでしょう。IT基盤の導入・更改を検討する上で、お悩みの点があれば以下よりご相談ください。

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