クラウドの課題を大公開、企業の現場が抱える悩みとは?|CDEC 4.0

クラウドの課題を大公開、企業の現場が抱える悩みとは?|CDEC 4.0

 はじめまして、CDEC 事務局の百田です。

 春なお浅く、朝夕はまだまだ冷え込みが厳しい今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


CDEC 4.0



 CDECは今回で4回目を迎えました。

 前回開催のCDEC3.0では「マルチクラウド時代におけるネットワークの課題」に関するアンケート調査を実施いたしましたが、大変興味深い集計結果を得ることができました。


 そこで本調査結果を皆様へ共有し、ディスカッションをさせていただく機会を設けるべく、CDEC4.0を開催することといたしました。

 国内のほぼ半数以上の企業が何らかのクラウドを利用している今日、企業は目的にあわせて複数のクラウドを使い分けるケースが増えています。クラウドの活用度が高まる一方で、その通信経路であるネットワークにも様々な課題が生じる場合があります。

 では、クラウドを活用する企業のネットワークにおいて、実際にどのような課題が生じているのでしょうか?

 本記事では、CDEC4.0へ参加いただいた皆様の声を中心にレポートいたします。



▼ 目次
1. マルチクラウド時代のネットワークの課題とは?
2. フリートークセッション





1.マルチクラウド時代のネットワークの課題とは?

 去る2019年12月18日水曜日、東京五反田にある「Innovation Space DEJIMA」にて「CDEC(CTC Datacenter Exchange Community)4.0」を開催いたしました。


CDEC 4.0




 まず、CDEC事務局の岩崎よりCDEC3.0にて実施したアンケート調査結果と、それぞれの調査結果に対するCDEC事務局の見解をご紹介いたしました。



CDEC 4.0




 なお、「マルチクラウド時代におけるネットワーク課題とは?」に関するアンケート収集は、CDEC3.0にて利用用途ごとにマトリックスを作成し、各エリアに該当する課題を共有していただく形式で行いました。



CDEC 4.0
図 1. CDEC3.0 にて実施したアンケート調査をまとめたマトリックス




 CDEC3.0にて実施したアンケート調査とマトリックスの詳細については、下記よりご覧いただけます。


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2.フリートークセッション

 次は皆様の生の声をお聞かせいただくフリートークセッションです。

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)にて「マネージドSD-WANサービスを推進する」DCサービス基盤開発部の横堀、「企業とパブリッククラウドの閉域接続を推進する」DCサービス推進第2部の三井がフリートークセッションに加わります。

 今回は初めての試みとしてリアルタイムアンケートを用意し、参加者の皆様にその場で設問ごとの課題をオンラインアンケート上に自由記入していただきました。


CDEC 4.0




 ご用意した設問は以下の3つです。




2-1. クラウド利用を開始する際の課題はなんでしょうか?

 設問「クラウド利用を開始する際の課題はなんでしょうか?」についての回答結果には、下記の課題が上がりました。

  • セキュリティ。
  • 社内手続きが面倒、社内規定が一つの壁。
  • セキュリティ、バンド幅(速度)、セッション数増大。
  • セキュリティ、データ保護、ガバナンス。
  • 社内ガバナンスの変更、障害時のコントロール。
  • クラウド依存が強まるとトラブルが発生すると会社が止まる。
  • 安いからと言って安易に飛びつくのはどうかと。
  • やはりセキュリティが心配です。ただ、どこまでやればいいのか?いつも議論になります。




 【セキュリティ】とお答えいただいた方に詳細を伺いました。

 「仮想通貨の流出やサーバが勝手に使われていたというのは良くある話。セキュリティに関してはコンサルが必要になると思う。パブリッククラウドが認証を取っているケースがあるが、使う側が担保するようになっている」


 これに対し、CTC横堀は以下のように話します。

 「パブリッククラウドサービスのベストプラクティスが正しいのかどうか、第三者チェックができるのかどうかが重要になる。また、設定管理がしっかりできるかというと骨が折れる。」



 続いて【ガバナンスに課題あり】とされた方に詳細を伺いました。
 「リスク管理規定があるが、クラウド利用が考えられていない。許可を出す人にクラウドの知識がないのでインターネットは危ないという偏見がある。良いものがあった時に使うまで時間がかかるのが課題」



2-2. クラウド利用の中でどのような課題が生じていますか?

 設問「クラウド利用の中でどのような課題が生じていますか?」についての回答結果には、下記の課題が上がりました。

  • 遅延が発生した場合の切り分けが大変。
  • セキュリティ、バンド幅(速度)。
  • たま~に、レスポンスが遅い場合がある。
  • 障害が起きても認めない。復旧するまで時間がかかる。
  • エンジニアのスキルがまちまちなため、人に依存する。
  • 管理者の所在が不明、障害時の原因究明が難しい。セキュリティインシデント発生時対応など。



 【ベンダー側に課題あり】と回答された方に詳細を伺いました。

「あるクラウドアプリを使っていたが、障害が起きてもなかなか認めないことがあった。(アプリ上で会議室管理を作ったが新しいオフィス分を追加できなかった。)障害としてベンダー側が認知してから、障害が修正されたのは4か月後。日本法人に問合せても本国が直すまで待ってくれと言われた。」



 続いて【管理者の所在が不明、障害時の原因究明が難しい。セキュリティインシデント発生時対応など】と回答された方に詳細を伺いました。

 「クラウドID管理サービスを利用しようと思ったがうまくいかなく、ベンダーへ問い合わせたが、一次回答が2日後で、無事動くようになったのが1週間後。こちらの操作が悪いと言われたがクラウド側のログを共有してくれないので自分達で何が悪いかわからない」




 さらに【レスポンスへの課題】と回答された方に詳細を伺いました。

 「遅延が発生した時どこが悪いのか切り分けが難しい。PCなのか、ネットワークなのか、クラウドなのか」



 これに対し、CTC三井が以下のように話します

 「どういう経路で遅延が発生しているか、アプリの問題なのか切り分けが難しい。インターネットになると手が出せないという実感がある。クラウド側の状態がわかるツールが今後必要になるのかなと思う。(お客様は遅いとしか言わないことが多いため)」



2-3. SD-WANに興味がありますか?その理由は?

 はじめに、CDEC4.0のテーマである「クラウド時代におけるネットワーク課題」に適した技術「SD-WAN」について、CTC横堀より紹介をさせていただきました。



SD-WAN

図 2. SD-WAN 概要図



 SD-WANの概要については、以下よりにわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。


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 設問「SD-WANに興味がありますか?その理由は?」についての回答結果には、下記の課題が上がりました。

  • 検討中。
  • LTEで開発は発想がなかった。5Gになれば使えそう。一方でセキュリティの考え方。VPNだけで安全かをクリアしたい。
  • 価格は?
  • ハイブリッドな環境のお客様には良さそう。
  • 働き方改革でオンプレミスを無くそうとしているお客様にはどうなの?
  • 管理工数の削減、運用通信コスト削減、設定変更の自由度。インターネットブレイクアウト、エンドユーザの価値訴求が難しい。
  • 興味はある。有用性もわかります。ネットワークセキュリティガバナンスをどうする?という課題がありますね。
  • 帯域制御機能、アプリ認識機能が肝になると思います。面白いと思います。まずは小規模打ち合わせ実際使用してみてからだと思います。
  • 興味がある。ローカルブレイクアウトの機能はいいと思う。デメリットについても聞きたいです。
  • お高い。SaaSは閉域で使っているから困っていない。5Gがリリースされてから考える。



 【価格について疑問がある】と回答された方に伺いました。

 「特にマルチクラウドを使ったときにどうなのか?何分の一になるか?」


 これに対しCTC横堀は答えます。

 「今のところは変わらない。3年後、5年後に帯域が3倍になった時に効いてくる。回線への投資が抑制される」



 加え、【シンクライアント環境では、SD-WAN利用はいらないのではないか】との意見に対して、CTC横堀は次の通りに述べました。

 「フルシンクライアント環境だと要らないと思う。理由は、フルシンクライアント環境とインターネット間の通信トラフィックは、DCからインターネットに出ていくことになるので、インターネット接続回線を太くすれば良い。またローカルブレイクアウトを認識しないアプリもある。」

 付け加えて「拠点~DC間でSD-WANを使うというのはないのか?」という設問に対しては、「リモートデスクトップだけだと帯域が低くても良くなるので回線費用と比べて見合わないと思うが、数千人規模の拠点とかだと効いてくるかと思う」と回答しました。



 追加で【閉域網に関して】のご質問をいただきました。

 「お客様が閉域網は要らないと考えた場合にどうなのか?例えば、5Gで直接つなげば良いというお客様の場合など」


 CTC横堀は次の通りに回答しました。

 「SD-WANはあくまでWAN回線向けのサービスなので端末単位は考慮されていない。数年後のネットワーク環境がどうなるかはわからないが、5Gで直接つなぐのがメインになっている可能性はある」






まとめ

 CDEC4.0では「クラウド時代のネットワーク課題とは?」をテーマに以下の項目に対して様々な意見、情報交換を行いました。

  • クラウド利用を開始する際の課題はなんでしょうか?
  • クラウド利用の中で、どのような課題が生じていますか?
  • SD-WANに興味がありますか?その理由は?



 クラウド時代の、クラウドファーストの、とは言いますが、やはりまだまだクラウド利用に関する課題は多く、各社模索しながらベストプラクティスへ進んでいる様子が垣間見られ非常に有意義な時間となりました。

 この他にも興味深いお話が続きましたが、各社の機微に触れる内容も多く、本レポートでは割愛させていただきます。

 CTC は、今後も「CDEC」を通して企業間の情報交換を活性化させ、得られた知見をお客様へ積極的に還元するとともに、CTCのサービスや他のクラウド事業者との連携などにフィードバックしていきます。

 本コミュニティにご興味を抱かれた方は、ぜひ「CDEC」にご参加ください。


 CDEC の過去開催分のレポートについては、下記よりご覧いただけます。



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著者プロフィール

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百田文
伊藤忠テクノソリュージョンズ株式会社在籍中 | 1. 現在の担当業務 :データセンターサービス全般のマーケティング、販促活動、CDEC事務局員 | 2. これまでの担当業務 : データセンターにおけるカスタマーサポートエンジニア、データセンターファシリティ管理業務、データセンター品質認証管理業務、データセンター契約管理業務 | 3. 趣味 : ゲームをすること(今年は7!)、某夢の国へ子どもと一緒に行くこと、Food Networkを見ること (Love Alton Brown) | 4. 好物 : ナガノパープル、Milky Way (chocolate bar) | 5. 座右の銘 : 日々是精進

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