HCI 最前線 (Dell EMC VxRail 編 その①)
マルチベンダーのCTC視点で製品特徴を徹底解説

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 次世代の仮想化基盤として注目を集めるハイパーコンバージド製品。今回は「VMware vSphere 環境に最適化されたハイパーコンバージド」とも言えるDell EMC VxRail (以下、「VxRail」)について解説します。

1. VxRail とは?
 Dell EMC社が2016年4月に販売を開始したハイパーコンバージド製品で、Software Defined Storage(以下、「SDS」)はハイパーバイザーとして圧倒的なシェアを誇るVMware社が開発した「VMware vSAN」を採用しています。
 VxRail には独自のHCI管理ツール「VxRail Manager」が提供されています。このHCI管理ツールは仮想化基盤の運用管理を高める重要な機能を備えており、vSphere基盤のリソース状況やハードウェアのステータス状況などを一括して管理できます。
 VxRailは大きく2つの管理ツールを使って管理を行います。
1. VxRail Manager
 ハイパーバイザー層よりも下部レイヤー(クラスター/HW筐体)を管理します。初期構築時の自動化されたインストレーションや容易なノード増減操作、クラスター全体のシャットダウン等、仮想化基盤の運用性を向上させる様々な機能が提供されています。
2. VMware vCenter Server
 ハイパーバイザー層よりも上部レイヤー(仮想マシンの作成/変更/削除 etc)を管理します。
図 1. VxRail Manager画面
2. VxRail の特徴
 VxRailの特徴は「VMware vSphere 環境に最適化されたハイパーコンバージド」と言えるでしょう。何をもって最適化されたと言えるのか?というのは、アーキテクチャに起因しています。VxRailはSDSであるVMware vSANとハイパーバイザーであるvSphere がカーネルベースで一体化して構成されている「ハイパーバイザー組み込み型」のアーキテクチャを採用しています。他社のハイパーコンバージド製品の多くは「仮想アプライアンス型」のアーキテクチャを採用しており、具体的には各ノードにSDS機能を担当する仮想アプライアンスが起動します。ノード上で動作している仮想マシンのDisk I/O処理は全てこの仮想アプライアンスが処理を受け取り、ハイパーバイザーをパススルーする形でノードのDiskへデータ書き込みや読み込みを行います。その為、この仮想アプライアンスには比較的多くのリソース(CPU/メモリー)を割り当てる必要があります。このリソースを「SDSコスト」とも言います。
 SDSコストは製品毎に違いますが、1ノード当たりCPUは2vCPUから多いもので8vCPU(10GHz制限)。メモリーは24GBから多いもので100GBを超える製品もあり、ノード数に比例してSDSコストは増えていきます。しかし、VxRailはハイパーバイザーのカーネルベースで処理を行っている事からシンプルな処理が可能で、SDSコストがハイパーコンバージド製品の中で最も少ない製品です。1ノード当たりCPUで約10%、メモリーは構成によって変わりますが多くても十数GBのバッファを確保するレベルです。その為、VxRailは1ノードにより多くの仮想マシンを割り当てる事が可能です。
図 2. VxRailアーキテクチャの特徴
 また、VxRailにはHCI筐体に内包されているVMware関連のソフトウェアについても注目です。
表 1. VxRailに含まれているVMware関連ソフトウェア
製品名 製品概要
1. vCenter Server vSphere管理ソフトウェア
2. vSAN Enterprise SDSソフトウェア
3. vRealize Log Insight vSphereログ管理ソフトウェア
4. RecoverPoint for VMs レプリケーションソフトウェア(1ノード当たり5VMまで無償)
5. Cloud Array クラウドストレージ連携ソフトウェア(1TB Local, 10TB Cloudまで無償)
 VxRailにはこれらのVMware関連ソフトウェアがHCI筐体内に含まれており、追加で購入する必要があるのはvSphere ライセンスのみとなります。(別途、OEMライセンスを購入する事も可能)
 数年前のVMware vSANアプライアンス製品では、これらのソフトウェアを追加していくと価格が高額になってしまう課題がありましたが、VxRailではHCI筐体に含む価格体系にする事によって、価格の点においてもVMware vSphere 環境に最適化されているという事が言えます。
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3. vSAN Ready NodeとVxRailの違い
 VxRail のSDSとしている「VMware vSAN」ですが、このVxRail以外にも「VMware vSAN」を用いたハイパーコンバージド製品が存在しています。VMware vSANはvSAN Ready Nodeと呼ばれる推奨構成が提供されており、各サーバOEM ベンダーからVMware vSANを活用したソリューションとして提供されています。
 vSAN Ready Nodeのメリットは、複数ある各サーバOEMベンダーからHW筐体を柔軟に選択する事が可能です。その反面、HCIを管理するツールを提供しているハイパーコンバージド製品は少なく、提供されている場合でもその機能は限られています。
 VxRailはDell EMC社のアプライアンス製品である為、HW筐体はvSAN Ready Nodeのように柔軟に選択できません。しかし、HW筐体を特定のサーバに特定する事により、前述したHCI管理ツール「VxRail Manager」からHW筐体とVMware vSphere 環境を一体化した運用操作が可能になり、仮想化基盤運用の効率性を高めます。
図 3. vSAN Ready NodeとVxRailとの違い

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4. VxRailラインアップとリソース追加特性
 2017年11月現在、VxRailは仮想基盤の用途に合わせて5つのラインアップが提供されています。
表 2. VxRailラインアップ
製品名 ユニット数 / ノード数 Disk 構成 用途
1. E シリーズ 1 U/1 Node ALL FLASH or Hybrid エントリーモデル
2. V シリーズ 2 U/1 Node ALL FLASH or Hybrid VDIモデル(GPU対応)
3. P シリーズ 2 U/1 Node ALL FLASH or Hybrid 性能重視モデル
4. S シリーズ 2 U/1 Node ALL FLASH or Hybrid 容量重視モデル
5. G シリーズ 2 U/4 Node ALL FLASH or Hybrid 高集積モデル
 特に用途が当てはまらないケースや、小規模からスタートしたいケースでは1U/1ノードのEシリーズを推奨しています。また、ノード数に関して最小構成は3ノード~とスモールスタートが可能ですが、ノード障害時のデータ可用性や、障害/復旧時の運用性を考慮するとプラス1ノードの4ノード構成を推奨しています。
 Disk構成は全てのDiskをSSDで構成する「ALL FLASH」と、SSDとHDDを階層化して構成する「Hybrid」から選択する事が可能です。小規模な構成では価格を重視した「Hybrid」が中心となりますが、最近では中規模の仮想化基盤やDBサーバも集約可能な「ALL FLASH」の引き合いが多く、昨年度弊社から導入させて頂いたVxRailの半分以上で「ALL FLASH」が採用されています。これは、以前に比べるとSSD価格が手の届く範囲の価格帯まで下がってきている事もあり、多少の金額差であればハイパフォーマンスで快適なインフラ環境を整備する事ができる「ALL FLASH」を選択されるユーザーが多いと考えられます。
 また、ストレージリソースの追加に関しても他のハイパーコンバージド製品とは違った特徴を持っています。他社のハイパーコンバージド製品ではストレージ容量を増やしたい場合、基本的にノードを追加する事によって拡張します。しかし、環境によってはストレージ容量のみを追加したいケースが出てくる場合があります。この場合、VxRailでは初期構成時に使用しなかった空きDiskスロットにDisk追加する事によってストレージ容量のみの追加する事が可能です。
図 4. VxRailのリソース追加特性
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5. まとめ
 VxRailは「VMware vSphere 環境に最適化されたハイパーコンバージド」製品であり、vSphere 基盤のリプレイスでは、HCI製品の候補としてよく挙げられる製品となりました。
 現在VMware社が目指すSDDC(Software-Defined Data Center)の実現に向け、中心的な技術としてVxRailでも採用されているSDS「VMware vSAN」をベースとしたスタックが形成されつつあります。今後はSDDCを実現するにあたって最適化されたハイパーコンバージド製品と言われるようになるのも、そう遠くはないかもしれません。
 VxRailをご検討されたい場合は、弊社へお気軽にご相談ください。他社製品も含めた上で、フラットな視点で最適な製品の選定にご協力致します。
なるほど!!ハイパーコンバージド

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