マルチクラウド時代のIT基盤選定のポイント

マルチクラウド時代のIT基盤選定のポイント

 国内の市場調査会社が、今年の6月に発表した国内クラウド市場の予測によれば、コロナ禍の影響もありクラウドの導入は今後も加速するという。

 これまで以上にクラウドを活用した変化への対応が、多くの企業に求められている。

 コロナ禍の以前から、国内企業もクラウドへの投資を加速する傾向があり、CTCにおけるクラウド・ITアウトソーシングビジネスも、この3年で増加してきた。

 その導入実績は、国内の大手企業をはじめとして、業界を問わない幅広い顧客層に広がっている。

 オンプレミスからクラウドシフトを加速する企業にとって、多様化するIT基盤をどのように構築していくべきなのか。

 その適材適所を選定する取り組みについて、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC) エンタープライズクラウド営業部 課長 吉村がIT選定のポイントを解説する。なお、解説動画については以下よりご覧いただくことができる。


未来の基盤も支える、CTCのクラウド
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(解説資料はこちら)




▼目次
多様化するIT基盤の現状と課題
IT基盤の分類と注目すべき傾向
最適なIT基盤の選定





1. 多様化するIT基盤の現状と課題

 10年ほど前までは、オンプレミスの中でどのような技術を採用するか検討していた顧客企業の多くが、この数年は国内外のクラウドベンダーが提供するクラウドサービスを検討する傾向が広がっている。

 加えて、クラウドベンダーのテクノロジーを自社内で利用するローカルクラウドを導入するケースも出てきている。


 このような選択肢の多様化は、システムインテグレータにとって提案の幅を広げるメリットがある一方で、顧客企業のIT責任者には選択の迷いももたらす。


 そこで、CTCではコーポレートITへの取り組みに関する課題を浮き彫りにする目的で、2 度にわたって独自の意識調査を実施した。

 1度目ではITインフラ基盤のクラウド化に関する現状と将来の姿を確認した。

 2度目の調査ではクラウド環境への取り組み状況や、クラウドへの移行対象と問題点や懸念点を把握する質問を用意した。


 調査対象は、上場企業のIT部門で管理職や主任またはリーダー以上の役職者に限定し、約350名が回答した。

 その結果、多様化する選択肢の中で、現在はオンプレミスとクラウドが混在する構成が多く、3年後にはビジネスITのクラウド化を推進しつつ、コーポレートITではオンプレミスも残すという組み合わせを目指す企業が多かった。



未来の基盤も支える、CTCのクラウド
図 1. 上場企業によるクラウドへの取り組み―現在と3年後



吉村は「多様化する選択肢の中で、クラウド利活用の方針は強まっていく傾向にある」と指摘する。





2. IT基盤の分類と注目すべき傾向

 今後5年間で、積極的に採用を進めたいIT基盤に関する調査では、予想を覆す興味深い結果が得られた。

 調査前の予想では、かなりの割合でパブリッククラウドの採用が拡がると考えていたが、結果はホステッドプライベートクラウドが、もっとも多い割合となった。



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図 2. 今後5年間で、積極的に採用を進めたいIT基盤



 この結果について吉村は「オンプレミス同様の安心感を得られることが、最大の理由であり、既存システムからの移行がスムーズに行える点も注目されている」と分析する。

 ホステッドプライベートクラウドでは、オンプレミスに近いIT環境を実現することが可能となり、また、現行の運用体制を踏襲できるメリットがある。

 加えて、アプリ改修の抑制が可能な点も安心感につながっていると考えられている。





3. 最適なIT基盤の選定

 CTCが定期的に実施しているアンケート調査によれば、クラウド利用を阻害する要因としてセキュリティへの不安やコストなどが懸念されている。

 その一方で、2020年の2月と8月に実施された調査結果から、興味深い傾向が見て取れる。

 それは、2月の時点で14.7%だった「会社的にクラウドが信用されていない」という回答が、8月には7.2%と半分以下に減少したのだ。

 この項目ほど顕著ではなくても、2月と8月を比較すると、全体的にクラウド利用への懸念は減少傾向にある。

 コロナ禍でテレワークを経験した多くの人たちが、クラウドに対する不安や懸念を減らしていた。



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図 3. クラウド利用を阻害する要因




 しかし、クラウドを導入したいという考えがある一方で、左に並ぶ上位5項目の不安内容は変わらず、主に人に関わる部分での阻害要因は高いままとなっている。

 こうした現状をCTCでは、次のようなイラストに整理している。

 考慮すべき項目が多すぎて、適材適所の選定が困難になり、検討する期限となってしまい、現行システムのリプレイスという結果になっているという。



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図 4. 適材適所に選定することが困難なIT基盤



 こうした状況に関して、吉村は「ひとりで悩んでいませんか?」と問いかける。

 その悩みをゴルフのクラブ選びに例え、IT基盤選びも同様に捉えて、「我々がお客様のキャディとして、最適なクラブ(IT基盤)選びのお手伝いをできればと願っています」と話す。

 その一助として、吉村は多種多様なIT基盤選びにおいて、考慮すべきカテゴリやポイントについて、図のような項目を示す。



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図 5. 考慮すべきカテゴリ/ポイントの一例




 吉村は「これまでお客様に伺ってきた内容をもとに整理すると、カテゴリごとにポイントをできるだけあげていくことが、IT基盤選定の第一歩になります」と指摘する。

 検討すべき項目をすべて洗い出し、その中から最適なIT基盤を選定する支援の一例として、ポイントごとに整理された条件分岐のチャートが示された。



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図 6. 選定アプローチの簡易イメージ



 そして、最適なIT基盤を選定するためには、「ITパートナー選びがポイントになる」と吉村は助言する。

 そのパートナー選びでは、「オンプレミスとクラウドの両方を熟知していること」や「選定から導入そして運用までを一気通貫でサポートできること」に加えて「マルチベンダーからマルチクラウドまでの様々な選択肢を提案できること」がポイントになると吉村は話す。

 こうした結果や実績を踏まえて、吉村は「多様化するIT基盤を適材適所に選定するためには、様々な選択肢を持ち、オンプレミスとクラウドを熟知していて、一気通貫でサポートできるITパートナーが必要になる」と結論付ける。

 さらに、多様化しているIT基盤の中で、大手企業はホステッドプライベートクラウドに注目が高く、「既存システムからの移行」への期待も高まっていると分析する。





さいごに

 吉村はコーポレートITに最適化されたCTCオリジナルクラウドを紹介し、多様な顧客ニーズに応えるITパートナーでありクラウドサービスの提供社であるCTCの魅力を伝えた。



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図 7. コーポレートITに最適化されたCTCオリジナルクラウド




 尚、解説動画の資料については以下よりご覧いただくことができる。

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